堀浩司の関西深堀りラジオ!経済ジャーナリスト・ファイナンシャルプランナー 堀浩司 おすすめ 癒しのマレーシア
PODCAST ラジオ配信中:RCC中国放送「ミライレポート」必ずわかる 法人税のしくみ

経済ジャーナリスト 堀 浩司 の “経済コメント”

住宅ローンと上手につき合う不安のないマネープランを

固定?変動?低金利時代の知恵
 将来的に、マイホームを手放さざるを得なくなる人が出てくるかも――。最初から物騒な話で恐縮ですが、そんな可能性があるかどうかは慎重に考えるべき点です。
 たとえば、「当初2年間を固定金利、以降は変動金利」でローンを組んでいる場合、固定期間は優遇措置として金利が1%を切る商品があります。しかし、固定期間の経過後は金利はどうなるかわかりません。金利が大きく上昇したために、支払い能力をオーバーしてしまった、というケースは現実にあります。さて、ローンの金利は、次の3タイプがあります。
   (1)固定金利型=借り入れる時に、全返済期間の金利が決定されている
   (2)変動金利型=返済期間中に、金融情勢の変化に応じて定期的に金利が変動
   (3)期間限定固定金利=当初3年間など、返済期間中の一定期間は固定金利、以降は金利を見直し
 低金利が続いているため、それが「当たり前」のような感覚になりがちです。最近では、1%を切る住宅ローンもあります。しかし、この先もずっと続く保証はありません。低金利時に変動金利型を選んだ場合は、先の例のように、将来的に返済額が増加してしまうという不安が残ります。逆に考えると、低金利時に有利なのは固定金利型。金融情勢の変化にかかわりなく、最初に決めた金利のまま。トータルの返済額が確定されますから、返済計画がシミュレーションできるのも利点です。「安心を買う」という意味でも、今の時代、固定金利型は一考に値するといえます。
 各ローン商品の金利の高低だけに目が向きがちですが、固定か変動かをきちんと確認すべきでしよう。

住宅ローン花盛り 自分のモノサシを
 近年、民間銀行の住宅ローン商品が数多く出ています。期間限定固定金利型で、当初金利をかなり抑えたもの、あるいは住宅金融公庫並みの金利で返済も35年という長期固定金利のものも登場しています。
 また、付加価値をつけたり、一定の条件をクリアしていれば金利を優遇するなど、個性的な住宅ローンも花盛り。たとえば、三大疾病保障付き住宅ローンや、オール電化住宅を対象にしたものなどがあります。外資系の金融機関には、日本の銀行のローン審査に落ちた人を対象にした商品を出しているところまであります。
 注目されているものでは、「フラット35」。銀行の住宅ローンを住宅金融公庫が買い取るという形をとる融資です。住宅の検査が必要などの条件はありますが、返済期間35年の長期固定金利で、銀行側が決定する金利も低く抑えられているのが特徴です。  自分にはどのローンが有利か、単にパンフレットを集めて並べてみても、混乱するだけではないでしょうか。まず基本となるローン商品を一つ選び、それと他の商品を比較検討していく。たとえば、「フラット35」などは、比較検討する際の「モノサシ」としても有用です。地道な方法ですが、考えを整理していくには近道です。

ローンの基本はいくら返せるか
 もう一つ、ローン返済でよく出る話題に、「元利均等」か「元金均等」かという問題があります。
 返済額から見てみると、「元利均等」は毎回の返済額が一定。一方の元金均等は、毎回の返済額が徐々に減っていきます。これは、返済額に占める元金と利息の割合の扱い方が違うため。たとえば、2500万円を固定金利3%・返済期間35年で借りた場合を考えましょう=別表参照。 「元利均等」では、当初は利息の割合が大きく、元金がなかなか減りません。しかし、毎月の返済額が一定なうえ、少なくすることができ、返済計画も立てやすいなどの特徴があります。
 「元金均等」は、毎月の返済額に占める、元金の割合が一定なので、元金が早く減ります。当初の返済額が高い半面、徐々に負担が楽になっていく利点もあります。  さてどちらが得か、という議論になりがちですが、あまり意味はありません。表のケースで、月々の返済能力が10万円だとしましょう。表から分かるように、「元利金等」だと毎回の返済額は9万6212円。これが「元金均等」だと、当初の返済額は月に12万円を超える計算になり、返済能力をオーバーします。

「元利均等返済」と「元金均等返済」を比較すると…
2500万円借り入れ/固定金利3%/返済期間35年の場合

■元利均等返済
回数 返済額 返済額内訳 返済額
元金分 利息分
1年目 1 96,212 33,712 62,500 24,966,288
  2 96,212 33,797 62,415 24,932,491
  3 96,212 33,881 62,331 24,898,610
5年目 49 96,212 38,005 58,207 23,244,977
  50 96,212 38,100 58,112 23,206,877
  51 96,212 38,195 58,017 23,168,682

■元金均等返済
回数 返済額 返済額内訳 返済額
元金分 利息分
1年目 1 122,023 59,523 62,500 24,940,477
  2 121,874 59,523 62,351 24,880,954
  3 121,725 59,523 62,202 24,821,431
5年目 49 114,880 59,523 55,357 22,083,373
  50 114,731 59,523 55,208 22,023,850
  51 114,582 59,523 55,059 21,964,327

 返済額のトータルを比較すれば「元金均等」が有利とはいえるのですが、この例からも分かるように、ローンは「いくら借りられるか」ではなく、「いくら返せるか」からスタートするのが鉄則。「固定金利or変動金利」という問題も含めて、家計と相談し、将来の人生設計も勘案して、少しでも不安の少ないマネープランを目標に検討されてはいかがでしょうか。

(「朝日新聞」2005年11月25日掲載記事より)

経済ジャーナリスト・ファイナンシャルプランナー・経済講演/堀 浩司

経済・ファイナンシャルプランニングの取材・講演・出演を承ります
経済ジャーナリスト 堀 浩司 の “経済コメント”

経済ジャーナリスト堀浩司HOME
プロフィール経済コメントコラム芸能マネーメディア情報取材・講演依頼セミナーのお知らせ癒しのマレーシア

経済ジャーナリスト・ファイナンシャルプランナー 堀 浩司 オフィシャルサイト