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経済ジャーナリスト 堀 浩司 の “経済コメント”

消費者金融、グレーゾーン金利を検証せよ!

(ナレーション)先月、大手消費者金融が法令違反にあたる厳しい取立てをしたとして業務停止命令を受けました。これがきっかけで、にわかに注目されるようになったのが「グレーゾーン金利」。
利息制限法と出資法という2つの法律の狭間にあって「違反しているが罰せられない金利」、それがグレーゾーン金利です。
今回の事件で、昨年からグレーゾーン金利の撤廃を検討していた金融庁の審議に注目が集まっています。しかし実は問題は、廃止すればいいという単純なものではないのです。
増えつづける多重債務者、そして自己破産。しかし本当の問題点は数ではなく、驚くべき債務者の実態と、金利の恐ろしさにあるのです。今朝は「グレーゾーン金利」を通じて借金の怖さをあらためて考えます。
(宮根) 「グレーゾーン金利」という言葉が最近良く聞かれますが、これは主に消費者金融、いわゆるサラ金で適用されている金利です。これが先日の大手消費者金融の厳しい取立てに対して営業停止処分が出たことで、皆さんの関心が高まり撤廃を含めた見直しの機運が高まっていますが、問題はそんなに単純ではないようです。
スタジオにはお馴染み阪南大学講師で経済ジャーナリストの堀浩司先生にお越しいただいています。おはようございます。
(堀) おはようございます。よろしくお願いいたします。
(宮根) 先生まずグレーゾーン金利というのはどういうことなのか、教えてください。
(堀) はい。まずは利息を決める法律が2つありまして、利息制限法と出資法という法律なん
ですが、これがまず利息制限法の上限金利というのが元本によりますが15%から20%、最大の上限が20%ですね、このように決められていますが、一方で出資法という法律では29.2%が上限なんです。そしてこの利息制限法の上限と出資法の上限までのあいだをグレーゾーンと呼んでいて、ここの部分については利息制限法としては法律違反なんですが、罰則がないんですね。そして多くの消費者金融はこのグレーゾーンに金利が設定されています。
(宮根) なんで罰則がないんですか?
(堀) 利息制限法というのはあくまで民事、そして出資法は刑事罰を定めたもので、それぞれ独立して存在する法律があって、それがためにグレーゾーンが出来てしまっているんです。
(宮根) なるほどね。
(堀) ちょっとこの数字を見てください。まずこの2000万人というのは、推計ですが消費者
金融、そしてキャッシングも含めた数字だと思いますが、ローン利用者の数です。
(宮根) 国民6人にひとりってことですか。
(堀) そうですね。そしてこちらの200万人から300万人というのは推定多重債務者数で、次の242,377件というのは自己破産申し立ての件数、そして最後の8,897人は、警察庁調べによる多重債務や過酷な取立て、失業などによって自殺した人の数です。1日に24人以上が自殺している計算になります。
(宮根) これはシビアな話ですね。
(堀) そしてこのグレーゾーン金利はいわゆるサラ金だけではなく、クレジットカードのキャッシングなども利息制限法を越えている場合がほとんどです。
(宮根) それでは実際に高い金利で借り入れしていた人の話なども含めて、VTRにまとめました。ご覧ください。
VTR(3分52秒)
<多重債務者インタビュー>
・どのくらい債務があったか? ・返済額と利息、元本の内訳は?
(ナレーション) Kさんは今でも残債が200万円ほどあるそうです。現在Kさんのような「破産予備軍」が200万以上いるとされていますが、その多くは消費者金融数社からの借り入れがあるとも言われています。
実際に消費者金融で50万円を借り入れた場合の返済例を見てみましょう。これはある大手消費者金融の返済例です。およそ5年で返済、毎月の返済額は1万5000円で、最終的に支払う利息の合計はおよそ38万円です。しかし実際はこうはいかないことが多いようです。借金問題などで悩む人の相談窓口となっているNPO法人、消費者サポートセンターの代表に伺いました。
<消費者サポートセンター 理事長>
・相談者の実態ほとんどが計画どおりにいかない ・枠ができればまた借りる包括契約
このような借金地獄から抜け出す方法はあるんでしょうか?
(ナレーション)もともと民事上違法とされてきたグレーゾーン金利がまかり通っていたのには理由があります。それは・・「みなし弁済」
みなし弁済とは、法定利息を超えた分の利息は、借り手側が任意で支払う分については問題がないとする制度で、消費者金融各社は借りて側が自由意志で利息を払っているとしてきたわけです。ところが今年1月、最高裁の判例で、この「みなし弁済」を認めないという判決が出されたことで、事態は大きく急変したんです。
<弁護士 インタビュー>
・みなし弁済での「任意」といえるような場合が事実上なくなった ・不当利得の返還請求ができる
(ナレーション)具体的には、弁護士や司法書士などに依頼して債務整理を行えば、余分に支払った利息を取り戻すことができます。債務整理の方法は、借り入れの状況によって任意整理、個人再生、そして自己破産などの方法がありますが、実際は過払い請求を起こす人はまだまだ少ない状態です。なぜなんでしょうか?NPO消費者サポートセンターの○○さんは、問題点の根深さを指摘します。
<消費者サポートセンター 理事長>
・ブラックリストの存在
(ナレーション)しかし一方で、弁護士の○○先生はこうも訴えます。
<弁護士 インタビュー>
・ブラックリストに載ってしまうのも荒療治だが一つの解決法 ・自分自身に規制をかけたほうがいい
(受けあって)
(宮根) 根が深い話ですね。
(堀) さて、もう一度高金利の怖さをおさらいしておきましょう。先ほどVTRでも「包括契約」という言葉が出てきましたが、借金を返すために借金をするということを繰り返すとどうなるか、こちらです。例えば100万円を年利29.2%で借り入れて利息分だけを同じ29.2%でカードキャッシングなどで借り入れて支払い続けた場合、5年後には423万あまり、8年後にはなんと1000万円を超えてしまう計算になります。
(宮根) とんでもないですね。
(堀) やはり借り手側の意識が金利というものをあまり意識していないのが問題なんですね。こんなデータもあります。借り入れをするときに金利に対してどのような認識だったかを調べたものですが、3分の1以上の人が貸付金利は分かっていたが返せると思ったと答えています。「初めからこの金利で返すことは厳しいと理解していた」という人はわずか2.4%に過ぎません。
(宮根) なるほどね。みんなわかってないんや。でもこのグレーゾーン金利は基本なくなっていくんですよね。
(堀) そうなんですが、どの金利で一本化されるかはまだ未定です。それからグレーゾーンが撤廃されると懸念されるのはヤミ金融の暗躍ですね。貸し手側は「貸し倒れ」が怖いですから利息が下がれば利用者を選ぶようになります。そうすればこれまで審査が通っていた人が通らなくなる、そうするとヤミ金に走るという構図ですね。
そしてもうひとつ、これは盲点なんですが、グレーゾーンが撤廃されると「過払い利息」というのがなくなるわけです。今借金に苦しんでいる人はこの「過払い利息」が返還されることで立ち直っているというのが現状ですので、20%で一本化されてそれでも限界まで借りるとあとは自己破産しかないわけです。本当は総量規制といって借り手の年収や状況によって限度を規制していかないと、単に29.2%が20%になるだけでは問題が解決するとは思いにくいですね。
(宮根) かえって金利が安くなって借りやすいと思う人もいるでしょうしね。
(堀) とにかく金利の恐ろしさをよく理解して借りるようにしたいものです。

(ABCテレビ「おはよう朝日です」2006年05月10日ON AIR)

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