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経済ジャーナリスト 堀 浩司 の “経済コメント”

「ゼロ金利解除」の生活への影響

アバン(1分30秒)リビングにて
[N] 今月14日、日銀は異常ともいえるゼロ金利政策の解除を決めました。これによって何が起きるのか?最も生活に影響するのは「金利」です。すでにいくつかの銀行は預金金利やローン金利の引き上げを発表し、金利上昇の前に不動産を購入しようと、マンションを買い急ぐ人が急増するという現象も起きています。金利が上がることは間違いありませんが、一体いつ、どのくらいまで上がるのか?そして預金金利だけでなく住宅ローンを始めとするローン金利もどうなるのか?この時期だからこそどんな選択が正しいのかを冷静に検討する必要があるのではないでしょうか?今朝はゼロ金利解除の生活への影響を考えます。
スタジオ(1)(1分30秒)VFタイトル
[宮根] 長い間続いてきた「超低金利時代」に終わりを告げることになるのかどうか?量的緩和政策が解除され、さらにゼロ金利政策も解除されることになりました。これは本当に景気回復につながるのか?そして何よりも我々の生活自体良くなっていくのか?今朝はそのあたりを探ってみたいと思います。おなじみ阪南大学講師で経済ジャーナリスト、堀浩司先生です。先生おはようございます。そもそも、ゼロ金利政策をよくわかっていない人もいると思いますが、簡単に教えてください。
[堀] はい、まずゼロ金利の「ゼロ」というのは、銀行間の金利を限りなくゼロに近づける政策ということで、銀行も企業などに資金融資しやすくすることで経済の活性化をはかろうということなんですね。15年前バブル経済が崩壊した後、長引く不況から抜け出すため、経済が活発に動くようにこの政策がとられました。具体的には、1999年の2月に、この「ゼロ金利政策」を実施しました。その後一旦2000年の8月に解除されたんですが、ITバブルの崩壊によって、翌年2001年年3月にお金をジャブジャブとばら撒く「量的緩和政策」とともに再開されました。そして今年になって3月に量的緩和の解除に続いて、ゼロ金利政策も今月14日に解除の発表がなされたという流れです。
[宮根] まあ言うなれば金利が上がったのではなくて正常に戻ったと言えますよね。さて、ちょうどボーナス時期でもありますからお金をどう活かすか、ローン金利にどう対抗するか!問題点をしっかり把握しておきましょう、こちらのVTRから・・
VTR本編(1分58秒)リビングにて
スタジオ(2)(5分)
(受けあって)
[宮根] さてそれでは詳しく教えていただきましょう。
[堀] はい。まずは預金のお話からなんですが、今回の日銀のゼロ金利政策解除の誘導金利は0.25%のアップ。短期金利が0.25%上がれば全体で4220億円が家計に入るというのがある研究所の試算ですが、これを全世帯で割ると一世帯あたり年間9000円になります。ただし今日本では4分の1の世帯が預貯金なしということで、預貯金が無ければ恩恵も当然ありません。
普通預金は0.1%が主流になりつつありますが、定期預金の場合は10年定期で1.5%を超える商品も出てきていますね。
[宮根] さて、ここでちょっと皆さんに見ていただきたい数字があるんですが、1990年頃ですから今から16年前、郵便局の定額貯金の金利は、なんと8.649%!
[堀] はい。10年間預けた場合の平均利回りがそのくらいでしたので、単純計算で100万円預けて1年で利息が8万6千円あまり。12年間、預けることができれば、倍の200万円を超えていたわけです。
[宮根] そんな時代があったんですね。それ考えたら1000円なんて・・
[堀] まあまあそう言わずに。まあそれだけ金利というのは影響があるわけですね。そこで考えたいのが金利上昇傾向のタイミングで有利な「変動金利」の商品です。いくつか挙げてみましたが、中でもお勧めなのが「個人向け国債」ですね。最低金利0・05%が保証されていて半年毎の金利見直し、そして発行後1年で直前2回分の利払い相当額を払えば中途換金できます。来年1月の利払いの金利は、1.10%と上昇しています。100万円で年間にすると1万1000円の利息ですからかなり条件はいいですね。ほかにも公社債投信あるいはヒット、ビッグといった変動型の金融商品を検討してみるのも良いでしょう。
[宮根] そろそろタンス預金を積極的に動かしてもいいんじゃないかと。
[堀] そうですね。ただし元本割れの可能性のあるようなハイリスクの商品は金利変動時に手を出すのは危険ですので、あくまで元本はしっかり守って金利上昇の恩恵を受けられる形を考えるべきだと思います。
[堀] それから預金に関しては、銀行が新規の預金客を嫌う傾向が強まる可能性があります。というのもそもそも「預金」というのは銀行にとっては商品の仕入れですから、金利が上がって仕入れ値が高くなる、そしてこれは以前にもご説明しましたが、預金残高が1000万円以下の場合、預貸利益率、つまり銀行の儲けは0.05%なのに対して預金保険機構に支払う保険料が0.08%と0.03%の赤字なんですね。窓口に行って「お近くの金融機関のほうが便利ですよ」なんて言って暗に断られるケースもでてくるだろうと。
[宮根] それ嫌ですね。
[堀] 自分に合った金融機関を見つけて付き合うのがいいでしょう。ということで、お金の運用面では金利上昇局面では、慌てる必要はありません。短期あるいは変動金利の適用される金融商品を選んでいると、金利の上昇によるメリットを享受できます。
[宮根] なるほどね。さて住宅ローンですが・・
[堀] こちらは借金ですので預貯金と逆になります。新たにローンを組む場合はやはり全期間固定のものを選んだほうが安全だと思います。金利の安さから、3年や5年といった短期固定のものが注目されていましたが、固定期間が終わった後の金利の上がり方を考えるとリスクは高いでしょう。実際に変動金利の住宅ローン金利がアップするとどのくらいの負担になるかを見てみましょう。こちらなんですが、3000万円を返済期間35年、変動金利2.375%で借りている人が、まず借り入れ1年後に0.5%アップした場合、毎月の返済額で8100円、総返済額で326万円増えます。同じく1年後に1%アップした場合、毎月返済が16300円、総返済額は663万円も増えることになります。
[宮根] えらい変わってくるんですね。
[堀] 実は、今のは計算上で、ちょっと怖い話ですが変動金利の場合は「未払い利息」というのが発生する可能性があります。皆さんがよく利用される元利金等返済では、変動金利の場合、半年毎に金利が変わっても5年間は返済額が変わりません。どういうことかと言うと、元利均等であれば毎月の返済額は一定で、内訳が変わってくるんですが、金利の上昇が大きいと利息分が毎月の返済額を超えてしまうという可能性があるんです。
こちらをご覧下さい。3000万円を35年、元利均等返済、当初金利1.675%で借り入れ、半年毎に0.5%あがるという試算です。最初の5年間の返済額は94,448円。1回目の返済は元金52,573円、利息41,875円という内訳です。2年後の24回目の返済では金利が上昇し利息の支払が増え、元金の返済は17,246円、利息分の支払は77,202円となります。さらに、31回目、2年7ヶ月後には、なんと利息が101,350円、返済額を超えてしまいます。もちろん、元金返済は0円。逆に未払いの利息が6,902円となり、借金が増えてしまうことになります。
[宮根] これは怖いですね。
[堀] あくまで例ですので必ずこうなるわけではありませんが、変動金利のローンはこういった可能性も持っていることを考えておく必要があるということなんですね。
[宮根] すでに、借りている人はどうすればいいんでしょうか?
[堀] そうですね、短期固定や変動で借りている人は可能なら固定への借り換えを検討してみたほうがいいでしょう。借り換えに応じてくれる金融機関は少ないかもしれませんが、中には積極的に対応してくれるところもありますので、あきらめずに調べてみてください。これが来年になって金利が上がった状態になってしまうと、今より借り換えが難しくなりますので、タイミングとしては1年以内くらいを目安に考えてみてください。
[宮根] わかりました。とにかくこの金利上昇が、我々の生活にどう影響していくか、慎重に見ていったほうがよさそうです。もうボーナスも出たと思いますので皆さんお金をどうするか?よくよく考えましょうね。先生ありがとうございました。
[堀] ありがとうございました。
(ABCテレビ「おはよう朝日です」2006年 7月27日ON AIR)
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