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経済ジャーナリスト 堀 浩司 の “経済コメント”

ガソリン価格高騰の今後!

 今月7日の全国平均ガソリン価格(沖縄県を除く)は、1990年の湾岸戦争時の過去最高額1リットル142円を更新し143.7円の高値となりました。高騰の直接の原因は、為替も円安に動き原油輸入価格の上昇による1リットル当たり4.3円(新日本石油)のコストアップと過去の未転嫁分4〜7円の引上げ。昨年1月以降のレギュラーガソリン全国平均価格の上昇はすでに1リットル約26円のアップにもなっています。
 原油価格は、2003年末1バレル(158.99リットル)30ドルあたりで推移していましたが、中国、インドなどの需要増で徐々に価格が上昇し2006年3月には60ドル前後に、そして4月、5月には、投機的な要因が大とされていますが、10〜15ドルも上昇しました。イランの核開発に対する経済制裁でイランの原油出荷が止まるのではないか、あるいはナイジェリアの油田地域での紛争による供給不安が投機資金の流入を誘っているようです。

 昨年、アメリカの経済誌ウォールストリートジャ−ナルが、「原油価格が何ドルになれば、世界経済に打撃を与えるか」というアンケートを著名エコノミストにしたところ、60ドル後半5%、70ドル台16%、80ドル台31%、90ドル以上48%という結果だったと報じていました。また、IEA(国際エネルギ−機関)が一昨年に、原油価格が10ドル上昇し1年間高止まった場合、世界の実質GDPを0.5%押し下げると予想していたのですが、結果は予想に反して、2004年の世界経済は4.6%成長となっています。
 これは、1980年のオイルショックの頃から現在までの先進国消費者物価上昇率が2.3倍となっているのに対して、原油価格はやっと2倍になったところで、実質価格でみると今まで安かったのが、やっと物価上昇率に追いついたところ、そのため世界経済に与える今回の原油高の影響は限定的であると見られています。

 日本経済はといいますと、1970年代の石油危機を契機に日本経済は重化学工業から加工組立型の経済構造に移行し、省エネ・省資源化を推し進めました。その結果、実質GDPが240兆円から現在500兆円と2倍になっているのにもかかわらず、日本の年間原油輸入量は1980年の2億5400万キロリットルから現在までほとんど変わっていません。また、為替相場も過去25年間で1ドル240円から120円へと2倍に切り上がっていますから、それだけ安く原油を買えているわけです。さらに、日本は現在171日分の原油を備蓄しています。つまり、日本経済に対しても今回の原油価格の高騰の影響は少ないといえます。消費者がパニックに走る必要はまったくありません。
 今後の原油価格については、先にお話しました実質価格がやっと物価の上昇に追い付いたというところですから、原油価格の下振れの可能性は低いと思います。しかし、現在の技術、コストで採掘し続けると世界の原油はあと40年から50年分と言われ、すでに代替エネルギー、代替資源、省エネ商品の開発も進んでいます。そして、原油高でこれらの開発も採算がとれるようになってきました。これらを考えますとやはり恐怖に駆られることはありません。

 しかし、やはり短期的には、原油価格の高騰は我々の生活に影響を少なからず与えます。
 ガソリン価格の内訳、たとえばレギュラーガソリン1リットル143円の内訳を見てみますと、原油輸入価格49.0円、物流精製費10.0円、元売及び給油所利益21.4円そして、もっとも割合の多いのが税金で62.6円です。そして、そのほとんどは、ガソリン税。ガソリン税は本来の基本税率が28.7円なのに暫定分が上乗せされて現在53.8円、そしてガソリン税が使われる道路特定財源は来年度7000億円ほどの余剰金が発生すると見られています。
 暫定税率で余っているなら、政府は税率を本来の税率に戻して、一般庶民のガソリン料金の値上がり分をカバーすべきだと思います。
(ABCテレビ「おはよう朝日です」2006年8月22日ON AIR)

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