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経済ジャーナリスト 堀 浩司 の “経済コメント”

妻はその時を待っている!年金分割で夫婦はどうなる?

アバン(1分50秒)島田谷川芝居 (アバン島田読み)
[島田] 帰ったぞ!メシは? [谷川] はいはい。(OFF:「来年4月・・・」)
[島田] おい、風呂は?
[谷川] いつでも入れますよ。(OFF:「来年4月・・・」)
[谷川] 明日は大事な息子の結婚式ですよ? 仕事は大丈夫なんですか?
[島田] ああ、明日は接待ゴルフだから、おまえ出席しといて。
[谷川] (OFF:「ゼッタイ来年4月・・・」)
[N] いったい来年4月に何が起きるんでしょうか?それは「年金分割」!これまで例えばサラリーマンの夫と専業主婦の妻が離婚した場合、老後に妻に支払われる年金は、厚生年金の受給資格がある夫に比べて極端に少なく、厳しい老後を強いられるという現実がありました。ところが、平成16年の年金改正で、夫が受け取ることが出来る厚生年金を、妻にも最大半分の受給資格があるように改正されたんです。そして来年の平成19年4月以降に離婚した場合、この制度の適用が受けられるようになります。ちょっとこちらのグラフをご覧ください。「熟年離婚」が叫ばれ始めた最近、ずっと離婚件数は増え続けていましたが、この年金分割問題が議論され始めた平成15年ころから、離婚件数は減少しています。これは何を意味するのか?そうです、妻たちは「その時」が来るのを待っているんです!今朝はこの「年金分割」について、奥様の目線で詳しくお伝えします。
スタジオ(1)(1分30秒)
[宮根] 世の中のお父さん、怖い話です。ボーっとしてる場合ちゃいまっせ。ひょっとしたら来年4月以降、「あなた、大事な話があります」なんてことになるかもしれません。最近特によく取り上げられるこの「年金分割」の中身なんですが、なかなかまだ詳しくわかるものが少ないと思いますので、おは朝でいち早く、「奥様に有利な」目線でお送りしますので、旦那さんは逆にそれも参考に
して欲しいと思います。
[宮根] スタジオには阪南大学講師で経済ジャーナリストのおなじみ堀浩司先生にお越しいただいています。先生おはようございます。
[堀] おはようございます。よろしくお願いいたします。
[宮根] 先生、今いわゆる「年金分割待ち」ということが起きているということなんですが、これはやはりそうなんですか?
[堀]  そうですね。離婚した後、自分が年金をもらえる時になって、夫の年金が分割されて自分の年金に上乗せされる制度ですから、やはり離婚をすでに考えている人はもう少し待てば有利になるということで、まさに「その時を待っている」状態の人もかなりいるんじゃないかと思います。
しかし一体いくら貰えるのかということなんですが、最大で夫の厚生年金受給額の半分とされています。最大半分というのは、双方の合意又は裁判所の判断によります。しかし実際は条件によってはそれほど貰えないケースもあるんですね。
[宮根] そのあたりは後で詳しく解説して頂こうと思いますが、まずはどんな制度なのかを簡単にVTRにまとめてありますので、ご覧ください。
VTR本編(2分40秒)
[N] そもそも厚生年金や共済年金というのは、日本の年金制度でよく言われる2階建ての2階部分にあたり、サラリーマンや公務員の夫と専業主婦の妻の場合、扶養されている妻が受け取ることができる年金は、全国民に共通する基礎年金の部分だけです。これに対して夫は、多くの場合会社などで厚生年金に加入しているため、基礎年金に加えて「老齢厚生年金」を受け取ることが
できます。この仕組みは、当然妻にしてみれば・・
[谷川] 「夫を支えて頑張ってきた妻の貢献度が、私らの年金に反映されへんってどういうこと?」
[N] と思いますよね。そこで平成16年の法改正で、婚姻期間中の厚生年金を、夫婦でちゃんと分割しましょうということになったわけです。
[島田] おい、お茶くれお茶!
[谷川] それくらい自分でしてくださいよ。
[島田] なんだと?仕事で疲れてる夫に向かってなんだその言い方は!
[谷川] はいはい。(OFF:今のうちにそうやってエラそうにしとったらええねん!来年4月になっら、あんたの年金の半分は私のモンやからね・・)
[N] 年金分割の按分割合は、最大で半分というのが言われていますが、「夫の年金の半分が貰える」のではありません。つまり婚姻期間中の2人の「標準報酬総額」つまり年金の対象となる金額の合計の半分ということですので、妻も婚姻期間中に働いていたら妻の厚生年金も含めて総額の半分が上限ということなんです。言い換えれば、妻も働いていて夫より収入が多い場合、年金分割で妻の分を夫に分割しなければならないケースもあるわけです。このほか、分割されるのはあくまで「厚生年金、共済年金」で、婚姻期間中に夫が会社員、公務員でない、いわゆる個人事業主の妻は、年金の分割は受けられません。そしてこの制度が適用されるのは、来年4月1日以降に離婚した場合に限ります。だから妻たちはじっと息を潜めて待っているのです。子育てを奥さんにまかせっきりにしてきたお父さん・・・奥さんがいないと靴下のある場所もわからない旦那さん・・
[谷川] 来年4月、オーッホッホッホ・・。
[島田] ん?なになに?何が面白いの?ねえねえ?
[N] ひょっとすると来年の春以降は、一人暮らしを始めることになるかもしれませんよ!
スタジオ(2)(4分30秒)
[宮根] 怖い、これは怖いわ。でもまあ確かに奥さんからしてみれば、家事や子育ても立派な仕事で、自分たちがいたからこそ夫が頑張ってこれたというのがあるでしょうね。
[堀] そうですね、まず大前提としてこの制度はあくまで妻の老後の生活確保というのが目的ですので、先に離婚ありきということではなくて、どうしても離婚を余儀なくされたときに、その後の生活を経済的に支える仕組みなんです。まずもう一度イメージを説明しますが、夫はサラリーマンで、妻は専業主婦で婚姻期間中妻は働いていない場合、この図のような形になります。要は厚生年金の保険料を支払った記録を、一部妻に分けてつける、ということなんですね。また、妻が働いていた場合は、妻と夫の婚姻期間中の厚生年金の合計額が分割の対象です。この結果、原則として65歳以降で年金を受け取るときに、国民全員に共通する基礎年金に加えて分割された分が貰える、ということなんです。具体的に例を挙げて説明しましょう。夫は1951年生まれの55歳、妻は1956年生まれの50歳とします。夫は18歳で就職、妻と1982年に結婚したという設定です。
まずはこの場合の夫と妻それぞれの基本年金額の試算ですが、夫のほうの基礎年金、いわゆる国民年金ですね、これが792,100円、妻が600,700円となります。そして2階部分の厚生年金は夫のみ1,041,107円となって夫婦それぞれの年金額の合計はこうなります。この夫婦が年金分割した場合のパターンを3つ見てみます。
[宮根] はい。まずこの年金分割制度適用の直後、来年5月に離婚した場合ですね。
[堀] はい。まず分割される夫の年金は1982年の結婚から離婚する2007年までの25年間の厚生年金額が626,306円でその半分は313,153円、これが妻の基礎年金に加算されるわけです。これで妻の年金は年間913,853円、月額にしておよそ76,000円ほどになります。分割前が月5万円程度なので26,000円ほど増える計算になりますね。
[宮根] 意外とそんなに増えないですね。
[堀] そうですね。そして次に夫の定年、60歳定年としてあと5年ですが、ここまで待って離婚した場合の試算です。同じ計算式で月額およそ82,000円になりますね。
[宮根] 待ってもそない変わりませんね。
[堀] そうですね。離婚を今の段階で決意されているなら、来年4月以降待っても大きな差は出ません。
[宮根] 決めるなら来年ですね。でも持っていかれるダンナさんも厳しいですね。
[堀] 奥さんが増えた分純粋に減るわけですから厳しいですね。ただ婚姻期間中の妻の働きをしっかり認めて老後の安定を図るのがこの制度の目的ですから、当然といえば当然かもしれませんね。そして最後は、妻が1人になる場合でも、夫が死亡して1人になる場合です。たとえば、定年直後に夫が死亡した場合、妻の年金ですが、これは遺族厚生年金が適用されますので、夫の厚生年金1,041,100円の4分の3と合わせて、中高齢寡婦加算というのが60万円弱付きます。で、妻が65歳になるまでのあいだは月額114,500円、65歳以降は115,100円という計算になるんですね。
[宮根] 結構な額になるんや。
[堀] そうですね。やはり添い遂げるほうが年金の総額という点で見れば有利なのは間違いないですね。私のところにもよく「離婚の年金分割はいくらくらいになるんですか」という問い合わせがありますが、試算してみると「案外少ないのね」という方が多いです。やはり夫婦仲良くする努力を最大限してもらって、どうしてもだめならこの金額を参考にしてみてください。
[宮根] とりあえずは来年4月、心配なご主人は、奥さんの動きを見ておいたほうがいいかもしれません。先生ありがとうございました。

(ABCテレビ「おはよう朝日です」2006年10月19日ON AIR)

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