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経済ジャーナリスト 堀 浩司 の “経済コメント”

どうなる?2007年 どうする?住宅ローン

 明けましておめでとうございます。
 新年一番、今年こそマイホームを――決意を新たにした人も多いのでは。
 まず必要なのは、しっかりとしたマネープランですね。昨年末、与党の2007年度税制改正大綱が発表されましたが、今年は住宅に関する優遇税制にいくつかの改正が加えられそうです。特に注目される「住宅ローン減税」がどうなるかの解説も含めて、住宅ローンとの上手な付き合い方指南を、お話しします。

住宅ローン減税  07年度税制改正に注目

◆ 一定割合で所得税を控除
 「住宅ローン減税」とは、年末の住宅ローン残高に応じて、一定の割合で所得税が控除(減額)される制度です。多くの人が恩恵を受けていますが、08年に終了することになっています。
 対象となる住宅は、床面積が50平方メートル以上の「新築」「新築住宅の購入」「中古住宅の購入」「増改築など」です(中古に関しては築年数などの条件あり)。現行制度では、居住を開始した年から10年間、ローン残高に応じて所得税が控除されます。今年07年中に居住を開始した場合、今年から6年目までは控除率1.0%/最高25万円が、以降7〜10年は0.5%/最高10万円が毎年控除されます。10年間で最高200万円が浮く計算です。
 ただし、年末のローン残高のうち、2500万円以下の部分が対象で、超えている金額は対象外。また、ある年の所得が3000万円を超えた場合は、その年の控除は受けられない仕組みになっています。

◆ 「住宅取得後15年間」に
 さて、07年度の与党税制改正大綱を見ると、この制度の改正が打ち出されています。大きなポイントは、減税の適用期間。現行の「取得後10年間」か、「取得後15年間」かのいずれかを選択できるようにする、というものです。15年間の場合の控除率は10年目までが0.6%、11〜15年目が0.4%と低くなります。
 背景には、政府の三位一体改革があります。国から地方への税源移譲で、所得税が下がる一方で、住民税がアップしています。「住宅ローン減税」は所得税が対象ですから、所得税が下がれば、ローン減税額も減ってしまいます。そこで、15年間に期間延長することで、そのマイナス分を「穴埋め」し、「10年間で最高200万円」を維持することが狙いです=表参照。
 なお、この「期間延長」という言葉に、「住宅ローン減税」制度そのものの存続期間が延びると誤解している人もいるようですが、最初に述べた通り、今のところ制度自体は08年に終わることになっていますから、注意してください。

住宅ローンの活用法  まず「固定金利」で検討を

◆ 固定金利と変動金利
 さて、以上のように税制上の優遇措置が取られている住宅ローンですが、だからといって無理な組み方は禁物です。
 住宅ローンを組む際の大きなポイントは、まず「固定金利」と「変動金利」の違いをよく知ることです。「固定」は全返済期間の金利が決まっているもの、「変動」は金融情勢の変化に応じて金利が変わるものです。当初3年間など一定期間を「固定」とし、それ以外は「変動」させる「期間限定」タイプも数多くあります。
 では、どれを選ぶべきか。現在、日銀がゼロ金利政策を解除して以降、金利の上昇を心配してマイホーム購入を急ぐ動きがあるようです。しかし実際には、これまで金利に大きな変動はありませんでしたし、今後も急上昇するような局面は考えにくいのが現状で、あせる必要はないといえます。
 とはいえ、金利が上昇傾向にあることもまた事実です。金利とは、景気の回復とともに上昇していくものだということを、ここで改めて確認しておきましょう。今後、金利が下がることはあまり考えられません。となると、金利がどう動こうとも、当初に決めた金利が返済の全期間にわたって適用される「固定金利」が有利といえます。総返済額がわかるので、返済計画をシミュレーションできる点も安心です。

◆ 住宅ローンは最初が肝心
 住宅ローンは最初が肝心です。「期間限定」タイプでは、当初何年間かの期間、金利を低く設定してある商品も多い。限定期間が終わって変動金利になった途端、返済が危ぶまれるようになった事例は数多くあります。その場合、「繰り上げ返済」や「借り換え」も検討されますが、「繰り上げ返済」はもともと経済的に余裕のある人でなければ難しく、「借り換え」も金融機関の判断次第というのが現実です。
 特に心配なのは、住宅取得の主力層である30代の人たち。バブル期を知らず、また超低金利が長い間続いたために、それが普通だという感覚があるとすれば、認識を改めた方が賢明だと思います。
 現在、民間金融機関を中心に多種多様な住宅ローン商品が出回っています。たとえば最近では、三大疾病、七大疾病保障付き住宅ローンが話題となっています。住宅金融公庫(4月から独立行政法人住宅金融支援機構に移行)が民間のローンを買い取る長期固定金利の「フラット35」も注目を集めています。
 まず「固定」でシミュレーションしてみることをお勧めします。返済が目いっぱいなようなら、計画を見直す勇気も必要でしょう。
 幸い、地価上昇もまだ一部の現象ですし、質の高い住宅が多いですから、マイホームを購入するにはいい環境にあるといえます。あせらずにじっくり品定めして、余裕のあるローン返済計画を立ててください。

新旧制度の比較(2007年に居住を開始した場合)
ローン残高 所得税控除額(円)
旧税率 10年間 新税率 10年間 新税率 15年間
1 24,669,186 246,600 169,600 148,000
2 24,260,590 242,600 169,600 145,500
3 23,838,935 238,300 169,600 143,000
4 23,403,804 234,000 169,600 140,400
5 22,954,768 229,500 169,600 137,700
6 22,491,382 224,900 169,600 134,900
7 22,013,185 110,000 110,000 132,000
8 21,519,704 107,500 107,500 129,100
9 21,010,455 105,000 105,000 126,000
10 20,484,929 102,400 102,400 122,900
11 19,942,607     79,700
12 19,382,954     77,500
13 18,805,416     75,200
14 18,209,420     72,800
15 17,594,378     70,300
控除額総計 1,840,800 1,442,500 1,735,000
■ 年収700万円 夫35歳、妻33歳、子A8歳、子B6歳
■ 2007年2月マイホーム購入・入居
■ 住宅ローン2500万円
■ 返済期間35年(全期間固定金利3.15% 元利均等返済)

07年に居住を始めたとした場合、旧税率だと10年間で約184万円が控除される。
これが新税率だと約144万円に。この減額分を補填するため、期間を15年間に延長すると、総控除額は約173万円となる。

(「朝日新聞」2007年01月01日掲載記事より)

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