堀浩司の関西深堀りラジオ!経済ジャーナリスト・ファイナンシャルプランナー 堀浩司 おすすめ 癒しのマレーシア
PODCAST ラジオ配信中:RCC中国放送「ミライレポート」必ずわかる 法人税のしくみ

経済ジャーナリスト 堀 浩司 の “経済コメント”

世界同時株安

 27日のニューヨーク株式市場では、ダウ工業株30種平均で一時546.20ドル安を記録、その後、戻したものの過去7番目の下げ幅416.02ドル安の12,216.24ドルで取引を終えました。日本でも、東京株式市場では昨日28日、日経平均株価が一時737円も下げ終値は前日比515円80銭安の17,604円12銭で退けています。日本、アメリカだけでなく、アジアやドイツ、パリのヨーロッパ市場でも軒並み全面安となっています。

どのような原因で世界同時株安になったのでしょうか?
 「チャイナ・ショック」とある新聞が表現していますが、今回の世界同時株安は、上海株式市場で総合株価指数が27日、過去最大の下落幅、前日比8.8%安を記録したことに端を発しています。現象的には、来週開かれる中国人民代表大会で過熱感が高まる「株価バブル」の抑制策が打ち出されるのではないかという思惑が引き金となり、中国株が売られ株価を大幅に下げ、その影響が各国に飛び火し、アメリカ株価も27日朝に発表された耐久消費財受注が予想よりも大幅に減少していたことなども加わり大幅安になり、それがさらに東京マーケットにも及んだと報道されています。

その中国、アメリカの状況はどうだったのでしょうか?
 実は、株式が下落する可能性は、ずっと指摘されていました。まず、中国ですが加熱する投資熱、特に中国は個人投資家が多く熱しやすく冷め易い市場構造が指摘されていました。旧正月明けの26日上海市場の株価は過去最高をさらに更新し、二年前の株価の3倍にまで高騰しており、急上昇した株価はいずれ逆に急落するのではないかと投資家の誰もが感じていたはずです。
 また、アメリカでもニューヨーク市場ではこのところ連日史上最高値を更新し続けていました。アメリカ経済を見てみますと住宅需要の落ち込みが見られる中での株高ですから、経済実態を株式市場が反映していないのは明らかでした。それが最高値を更新し続けるのですから、実体経済の動きではなく巨大なマネー経済の中で投機資金が動いていることが分かります。こちらも近いうちに下落するのでと危惧されていたところでした。
 日本の株式市場も、先月から株価の上昇が続き、22日には日経平均株価は6年9ヶ月ぶりに18,100円台にのせていました。

今後の株価の見通しは、どうでしょうか?
 今回の世界同時株安には、やはり大きな資金を世界的に動かすヘッジファンドの姿が浮かんできます。先月後半から、各国の株式市場でスルスルと株価が上昇し、ピークでストンと大幅な下落。個人と違い、株を借りて高い株価のときに売却し、そのあとは大量売りで下げた株価で借りた株を買って、その株を返済するという「空売り」という手法を使うヘッジファンドが仕掛けたのか。あるいは上海市場が下げ基調になったのでチャンスとばかりに空売りを仕掛けたのか、いずれにしても今回の株高、株安はスッキリしません。
 今後の世界の株価の推移ですが、構造的な実体経済を反映した株高、株安でなければ、マネー経済のバブル需要がはじけて実体経済を反映する株価に近づくのではないかと思います。株価が下がり続けるような脆弱な経済ではありませんので、ある程度の株価下落で落ち着くと考えられます。

個人投資家にとって今回の株価下落をどのようにとらえればよいのでしょうか?
 今回の下落で、株式投資であるいは投資信託で損をされる方も多く出てくると思います。ここで、今回の世界株価同時安で学ばなければならない点がいくつかあります。
 一つは、その国の株価がその国の経済を写す鏡となっているのかどうかです。ニューヨーク証券取引所のダウ平均株価と東京マーケットの日経平均株価が同じ表にトレンドされたグラフが昨日の夕刊や今朝の朝刊に載っていましたが、その動きは、ほとんど同じ動き、形をしています。アメリカと日本では、景気の好不況が違うはずなのに、どうして株価のトレンドがまったく同じなのでしょうか。昨日、一昨日まで世界の株価は、昨年後半から勢いをまして上昇してきました。この様子もまったく同じ上昇カーブです。つまり、実態経済とは違う世界を席巻するマネー経済、投機資金が全世界の株、債券、為替を動かしているのです。実体経済イコール株価ではないということの認識も必要です。

 もう一つは、ここしばらくの株高でエコノミストの人たちはほとんど例外なくこの株高がさらに上昇していくと予想していました。今週号の経済雑誌四誌を見ても株価の調整局面を迎え下落が予想されると述べている方は見当たりません。株価は予想しか出来ないのです。誰も保証は出来ないのです。それが株価というものだということも理解しておかなければならないということです。

 金融庁は金融広報中央委員会を使って盛んにマネー教育、投資教育を推進し、政府挙げで「貯蓄から投資」を奨励しています。その教育によれば、投資は「自己責任」なのです。今回の株価下落で被る損は、「自己責任」ということになります。でも、投資を奨励しておいて、それはないのではないかと思いますが、損を被るのは私達です。団塊世代が退職時期を迎えた今、もう一度、「投資」と「貯蓄」を考える時だと思います。
(RCC中国放送(広島)「寺内優のおはようラジオ」2007年03月01日ON AIR)

main

経済ジャーナリスト・ファイナンシャルプランナー・経済講演/堀 浩司

経済・ファイナンシャルプランニングの取材・講演・出演を承ります
経済ジャーナリスト 堀 浩司 の “経済コメント”

経済ジャーナリスト堀浩司HOME
プロフィール経済コメントコラム芸能マネーメディア情報取材・講演依頼セミナーのお知らせ癒しのマレーシア

経済ジャーナリスト・ファイナンシャルプランナー 堀 浩司 オフィシャルサイト