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経済ジャーナリスト 堀 浩司 の “経済コメント”

スタート直前情報! 「年金分割」の正しい知識

アバン(59秒)島田読み
[谷川] 来年4月・・・
[N] そう、その4月がいよいよやってきます。
年金分割!!
この「年金分割」の開始を待って離婚をガマンしてきた奥さんも多いはず。
でも実は制度自体あまりきちんと理解されていない部分も多く、勘違いされている事も少なくありません。
今朝はスタート直前情報として、この「年金分割」制度をしっかりと理解しましょう、ということで「年金分割」の正しい知識をお送りします!
スタジオ(1)(50秒)VFタイトル
[宮根] さあ、いよいよ「年金分割」制度が解禁になります。いわゆる「離婚待ち」状態だった奥さんも、これを契機に一気に離婚件数が増えるんではないかとも言われていますが、実際はどうなのか、今朝はもう一度この「年金分割」制度をしっかり理解しましょう、ということでお馴染み阪南大学講師で経済ジャーナリストの堀浩司先生に詳しくお伺いしたいと思います。先生、よろしくお願いします。
[堀] こちらこそよろしくお願いします。
[宮根] まあこれを待って離婚ということを考えている人が多いということなんですが、いくつか誤解があるということですね。
[堀] そうなんですね。まずこの年金分割制度というのは、あくまで婚姻期間中の厚生年金、共済年金などの保険料納付記録を分割する、つまり結婚生活においては、2人で頑張って力を合わせて保険料を納めてきた、それを妻にも受け取る権利を与えましょうということですので、何も夫の年金が無条件で半分もらえる、というものではありません。離婚を考えた時に老後の保障が夫だけにかたよらないように作られた制度であるということをまず認識すべきですね。
[宮根] 奥さんもちゃんと年金がもらえる権利があるということですね。さあそれではどういうところを押さえてないとアカンかというポイントですが、まずはVTRをご覧ください。
VTR本編(2分53秒)離婚件数の推移グラフ
[N] これまでもお伝えしてきましたが、熟年層の離婚件数はここのところ減少していて、この年金分割制度の開始を密かに待っている離婚予備軍がかなりいると考えられています。
実は年金分割制度には2つの制度があって、この4月からスタートする「合意調停分割」、そして来年4月に始まる「請求自動分割」に分けられます。
来年4月に始まる請求自動分割というのは、離婚した場合、夫婦間の同意がなくても請求すれば自動的に2分の1に分割されるというもので、サラリーマンの妻であれば誰でも権利を得ることが出来るようになります。
しかしこの制度は来年4月からの期間に対して適用されるもので、現在離婚を考えている人で、これまで積み上げてきた年金をどれだけ貰えるかが問題となっている点では、この4月からの「合意調停分割」を正しく理解することが必要です。
この「合意調停分割」というのは、今年の4月以降に離婚した場合、婚姻期間中、つまり結婚してから離婚までの期間に納めた保険料の記録を最大50%の割合で分割できるというものです。
「納付記録の分割」というと少しわかりにくいかもしれませんが、これまではサラリーマンの妻が離婚した場合、自分自身の老齢基礎年金、いわゆる2階建ての1階部分、月額にして満額でもおよそ66,000円しかもらえず、さらに元夫が亡くなっても遺族年金すら貰えませんでした。
これに対して夫は基礎年金の66,000円にプラスして厚生年金の報酬比例部分、仮に年収が560万円で年金額の総額が月額233,000円とすれば10万円強、合計17万円近い年金が支払われていました。
働く夫に対してしっかり家庭を守ってきた専業主婦にとって、夫に不満を抱いて離婚を考えた場合、この老後の不安が大きな障害になっていたんです。
年金分割の割合は、夫婦間の合意が基本ですが、調停などを通じて裁判所で決めることも出来ます。
そして原則離婚から2年以内に請求しなければなりません。
さて、それでは例えば離婚後すぐに分割した年金がもらえるのか?
分割していくらくらい貰えるのか、離婚前にわからないのか?
すでに年金生活をしているので離婚しても分割はできないんじゃないか?
今回はこのような様々な年金分割に関する疑問にしっかりお答えしましょう!
スタジオ(2)(5分)
VF(1)疑問1 離婚後すぐに・・
[宮根] さて、それでは具体的に見ていきましょう。
まずは疑問(1)「離婚後すぐに年金はもらえるか?」なんですが?
VF(2)受け取ることができる年齢
[堀] はい、これは間違いです。年金は当然受給できる年齢が決まっていますので、その年齢にならないと貰えません。基本は65歳からということになるんですが、ただし妻自身が会社勤めなどの経験があって厚生年金の加入期間が1年以上ある場合で、昭和41年4月1日以前の生まれであれば、生年月日によって60歳から65歳までの間で支給開始が決められています。
VF(3)モデルケース
[堀] こちらがそうですね。例えば昭和41年2月の生まれならこちら、64歳から、昭和33年の2月生まれなら60歳から受け取ることができます。
VF(4)具体的な数値
[堀] さてちょっと実際にどのくらいの額になるのかを見てみようと思いますが、たとえば55歳で年収600万円の夫と50歳の妻が今年5月に離婚した場合ですね、結婚したのが夫30歳で妻25歳とすると、まず婚姻期間は25年ですので、こちら・・
この626、300円が分割対象額です。
実は夫の厚生年金は離婚時点までの総額で言えば90万円ほどあるんですが、夫が就職してから結婚までの間の分は対象になりません。あくまで婚姻期間中の分割です。
そしてもともとの妻の老齢基礎年金600、700円ありますので、最大の50%の分割を受けることが出来た場合、この対象額の半分が妻にいきますので、結果年間で913、900円が年金となります。
月額にすると26100円ほど増える計算になりますね。
VF(5)共働きの場合
[堀]それから共働きの世帯の場合も見てみましょう。例えば夫の厚生年金が110万円、妻が70万円あるとしたら、夫の半分の55万円が妻にいくのではなくて、合計の半分、つまり90万円が妻の年金額となります。
この場合ですともともと70万円ですから、年間20万円しか増えない計算になりますね。
VF(6)10年目で離婚したら
[宮根] 要は専業主婦のほうが恩恵があるということですね。
先生、これ例えば「熟年離婚」じゃなくて結婚して10年くらいで離婚した場合どうなるんですか?
[堀] はい、基本的に年金制度には受給資格を得る為の加入期間が定められています。
基本は25年なんですが、厚生老齢年金では婚姻期間中の妻は国民年金の3号被保険者として扱われ、保険料は払わなくていいんですが、離婚後はご自身で年金保険料を払うことになります。また、年金受給資格まであと最低でも10年たりません。
この受給資格
期間が満たされていないと年金分割しても受給資格がないということになってしまう可能性もあるので注意が必要です。
VF(7)疑問2 社会保険庁サービス
[宮根] なるほど。では次の疑問です。
疑問(2)離婚を切り出す前に夫の分割対象額がわからないので不安、ということですが、これはどうなんでしょうか?
[堀] はい、実はこれは事前に知る方法があります。社会保険庁に対して必要な情報を請求することができます。教えてくれるのはご覧の内容ですが、要件を満たせば受け取ることが出来る見込み額も教えてくれるんです。
実はこのサービスの相談件数が2006年10月の開始から3カ月間で約1万5000件に上ったそうです。
社会保険事務所を訪れた相談者は男性19%に対して女性が81%。これまで年金分割で不利な立場にあった専業主婦らの関心が高いということなんでしょうね。
VF(8)疑問3 離婚先延ばし
[宮根] ある意味怖い話ですね。
さて疑問(3)ですが、「夫と話し合ったが分割割合の合意ができない、来年になれば自動的に半分になるので離婚を1年延ばそうかと思うが?」ということですが?
[堀] これは基本的に意味がありません。というのも来年になれば確かに合意がなくても自動的に半分に分割されますが、あくまで平成20年4月以降の期間についてです。
仮に3年延ばして平成22年に離婚したとしても、自動的に分割されるのはわずか2年分だけで、これまでの分はやはり話し合う必要があります。
VF(9)疑問4 すでに年金生活、分割は?
[宮根] 先延ばししても意味がないということですね。
さてそれでは最後の疑問です。疑問(4)「すでに年金生活なので年金分割はできないのでは?」
[堀] これも間違いです。できます。すでに年金を貰っていても離婚がこの4月以降であれば請求月の翌月、たとえば5月に請求すれば6月から夫と妻の年金額が変わります。
ただし、年金を受け始めた時点にさかのぼって分割されるのではありません。
[宮根] 年金生活を送っている熟年夫婦でも大丈夫ということですね。これは世の中のお父さん、ちょっと警戒が必要かもしれませんよ。
[堀] これまでがあまりに妻に対する年金が厳しい状況だったということですね。ただあくまで年金分割は離婚という苦境がやってきても老後に不安を残さないのが目的ですので、離婚するかどうかは金額で決めるものではないですからね。
[宮根] 確かにそうですが、う〜ん、みなさんはいかがでしょうか?
(ABCテレビ「おはよう朝日です : 今朝のクローズアップ」2007年03月156日ON AIR)
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