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経済ジャーナリスト 堀 浩司 の “経済コメント”

一週間のニュース解説

 この一週間も、また残念ながら、「何でこんなことに」という事件が続きました。もう、悪い夢は早く終わって、人が信じあえる世の中になってほしいと願わずにはいられない一週間でした。なんとか、良いニュースに出会いたいという思いで新聞を読みました。

 土曜日、5月12日の朝刊各紙は、「ふるさと納税」について取り上げていました。三位一体改革で税収の一部が地方自治体に移りますが、その結果さらに都会に税が集中し都市と地方の税収格差が広がるのを是正する方策として、菅義偉(スガ ヨシヒデ)総務大臣が今月1日に訪問先のパリで発言したものです。現在、個人の住民税は1月1日に住んでいる自治体に支払いますが、「ふるさと納税」は、現在払っている住民税のうちの1割程度までを自分の生まれ故郷などの「ふるさと」に支払うことを選択することができるという制度です。賛否、両方の意見があるようですが、自分の税金を使ってほしい自治体に支払うことができるというのは新しい発想だと思いますが、自治体側からするとどのぐらいの税収が入ってくるのか予想できず予算が立てられない。何かで人気のある自治体に「ふるさと納税」が集中したりするのではないか。また、本来、住民税は住民が行政サービスを受ける自治体に払う受益者負担の原則があるわけですが、税の原則を逸脱しているのではないかなど、なかなか実現は難しいのではと考えてしまいます。しかし、ますます進む都市と地方の様々な格差を是正するためには、思い切った方策も必要なのは事実。この「ふるさと納税」の是非はともかくとして、やはり、みんなでこの都市と地方の格差の問題を考えていかなければならないと思います。

 そんな思いで新聞を読んでいますと朝日新聞の大阪版に、大阪府堺市の事務経費削減の記事が載っていました。「カード決済すれば経費1億円減」という大きな見出し。「役所もカードで支払って、事務を軽減」と続くリードです。堺市は今年から各課が購入する文房具などの物品代金を、クレジットカードで払う実験を始めるそうです。カード払いにすることで、1カ月分の請求書がまとまって届き、そのことで決済の事務や支払が月1回で済むこと、振込手数料も大幅に削減できることなどから、本格導入すれば年間約1億400万円の削減が可能と試算しています。記事には書かれていませんが、クレジットカードの支払いでは、ポイントも貯まりますので、そのポイントを有効に活用すればさらに経費の節減が可能なのではないでしょうか。中世に活躍した堺商人の末裔の面目躍如(めんぼくやくじょ)といったところでしょうか。こういったところにも、知恵を絞ってもらって地方財政を少しでも立て直してほしいものです。拍手を送りたいです。

 日は飛びますが、17日木曜日の産経新聞朝刊に、「手厚い支援で出生率上昇」という記事がありました。日本の総人口が減少する中、1人の女性が生涯に産む子供の数の推定数である「合計特殊出生率」が極めて高い山村が長野県南部の過疎地域にあるという記事です。長野県下條村(しもじょうむら)、中学3年までの医療費無料化、保育料の10%値下げ、若者の定住を狙った安い家賃の村営住宅建設といった手厚い子育て支援策を打ち出し、近々、全国平均の出生率1.26を大きく上回る2.12に達するということです。この子育て支援策は、村の支出の徹底したコスト削減によるものだとのこと。やればできるのですね。拍手ですね。

 日は戻りますが、日曜日13日の毎日新聞の朝刊には、大手旅行会社3社が、3月の地震で観光客が減少した石川県の被災地を訪れる、義援金を組み込んだ旅行プランを売り出しているという記事がありました。また、17日木曜日の読売新聞朝刊でも、石川県輪島市と穴水町(あなみずまち)で来月6月10日に被災地に元気を届けようと、吉本興業のお笑いタレントによる無料ライブが開かれる、という記事を見つけました。困っているとき、元気がない時、お互いに助け合う人と人との心のふれあい、今の世の中、今の社会だからこそ、大切にしたいと思いました。こちらにも、大きな拍手。

 また、同じ13日の読売新聞には、「医学部に『へき地枠』、年250人程度、授業料を免除、卒業後10年勤務条件」という記事も見つけました。政府・与党は、へき地や離島などの医師不足解消のため全国の大学の医学部に、卒業後10年程度はへき地など地域医療に従事することを条件とした「地域医療枠」の新設を認める方針を固めたということです。地方でも安心して暮らせるためには、お医者さんが近くにいてくれないと不安で生活できません。少し、安心しました。

 もともとの人間のリズムで生活できる地方、田舎の暮らし。都会で時間に追われ続けている生活をしていますと知らず知らずのうちにストレスをため込んでしまいます。都会の人にとっても、地方の人にとっても大切な田舎暮らし。ちょうど、13日の朝日新聞には、女優の浜美枝さんの田舎暮らしが紹介されていました。「007は二度死ぬ」に出演されたボンドガールの頃が懐かしい私の憧れの美女ですが、記事にはご年齢も書かれてありました。囲炉裏端の浜美枝さんのお写真、63歳ということですが、今でもお若くお美しいのには、びっくり。現在、神奈川県の箱根町(はこねまち)にお住まいの浜美枝さん、「東京も好きですが、コンクリートの中だけでは精神が休まりません。日本人は木の文化に安らぎを感じ、四季のうつろいにも敏感です。六本木ビルズなどの大都市の中心だけがもてはやされる時代にはなって欲しくないですね。」というコメント。本当にその通りだと思います。本来の人の心を取り戻すためには、絶対に、地方、田舎の空気、時の流れが私たちに必要だと、浜美枝さんの記事を読みながら強く感じました。

 14日、月曜日の日経新聞の朝刊に、常々、私自身が思っている記事が載っていました。アメリカ生まれの日系二世で現在、日本に住み、アメリカ系の証券会社でマネジングディレクターをされている金融のプロ中のプロ、キャッシー松井さんという40歳の女性の方のインタヴュー記事です。見出しは、「お金の教育 子どもに不要」という見出しです。10歳の息子さんもいらっしゃる金融のプロですが、「小さいあいだは労働の大切さとか、学ぶべきことはほかにいくらでもあると思います。日本では拝金主義が強まっているようですが、人を助けたり、思いやったりする気持ちとか。お金がすべてではないですよね」と、お話されています。まったく同感です。人を思いやったり、助けあったりする気持ちがあれば、最近の信じ難いような事件も起きないのではないでしょうか。

 私も、今週末は、私の大好きな兵庫県、淡路島の北の丘にある「花さじき」の海に向かってなだらかに広がる芝生に寝そべって、空を流れる雲、明石海峡にかかる大きな橋、遠くに見える関西空港、足もとに広がる四季折々の花を見ながら、人間としての本来のリズムを、人を思いやる心を取り戻したいと思います。皆さんも、どうですか、一番心の休まるところで。

(NHKラジオ「新聞を読んで」2007年05月19日ON AIR)

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