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経済ジャーナリスト 堀 浩司 の “経済コメント”

サブプライムローンの焦げ付きに見る 投機マネーの危うい実態

週明けの東京市場は、株価年初来安値と為替は一時109円台
先週末の米国株急落と米国の景気減速懸念からのドル売りが背景
米国経済動向の見極めどき
  住宅価格の下落が単なる調整にとどまれば実物経済には大した影響はないが、
  バーストとなれば甚大な影響
IMFが利用可能な14カ国のデータ(70年1〜3月期から2002年7〜9月期)調査
  住宅ブームの崩壊後1年から2年目にはGDPはマイナス成長
  住宅価格の下落は株価下落以上に実体経済に深刻な影響
          株式を保有するよりも住宅を保有する家計の割合が高く、かつ借入を伴う

サブプライムローンの焦げ付きによる金融機関の損失が約17兆円にのぼるというニュースもありましたが、
そもそも、なぜこのようなリスクの高い金融商品にお金が集まったのですか?

サブプライムの当初の目的 収入が低くても、真面目に返そうとする人向けのローン

ローンの証券化
◎ 「証券化」前 ローンが貸し倒れになり、損をする危険
  「証券化」ローン自体は他に売却し、将来発生する貸し倒れリスクから逃避可能
◎ レバレッジ(投資家から集めた資金を担保に借り入れを重ねる)という手法を使う
  例.元金の10倍の額を運用していれば投資資産が10%下落すれば、投資家は全てを失う
◎ 「トリプルA」という格付け付与
  格付け会社は、格付けの対象である債券の発行側から手数料収入を得る
  債券発行側に甘い格付けをさせていたとの指摘

ローンの証券化のもう一つの要因
  自己資本規制 銀行はローンを増加したいときは一定割合の自己資本を増やす義務
  多数の住宅ローンを証券化してしまえば自己資金を増やす必要がない

サブプライムローン自体の問題
  最終的に低所得者が月々の収入では到底返せないような支払条件
    当初2年程度の返済条件を軽くして融資、据え置き期間経過後は、返済額急増
  住宅価格が急上昇 金融業界は普段は金を貸さないような顧客まで金を貸し付け始めた
    住宅の担保価値が急上昇 支払不能でも、住宅を処分すれば十分に貸金を回収可能
  ケース・シラー住宅価格指数(S&P) 全米住宅平均価格2000年100
    2003年末150を突破、2005年11月200超、ピーク2006年7月206.52
  2004年からFRBの金利引き上げ
    変動金利で借りた人は急上昇した住宅ローン金利で毎月の支払ができなくなってきた

世界的な金余りが今回の騒動をさらに拡大したとされていますが、
なぜ世界の資金は余っているのですか?
◎ 短期的な経済サイクルの変化
  2000年ITバブル崩壊
  IT製品が無限に成長するとの期待 世界中の経営者が生産設備拡張に走った
  投資先がなくなった
◎ 長期的視点
  89年11月ベルリンの壁崩壊、92年02月中国・市場開放路線
  大規模で安価な土地・労働力を備えた生産工場が世界の各所に誕生
  より少ない資金量でより多くの供給能力
◎ 近時的視点
  原油価格の高騰によるオイルマネーの現出
  米財務省推計 運用総額1.5兆ドル〜2.5兆ドル(175兆円〜292兆円)
  7〜10年後には運用総額10兆ドルを超えると予測

ここ最近の原油高もサブプライムローンの焦げ付きが一つの理由とされていますが、 背景を教えてください?
油田の生産コスト
  サウジアラビアなど中東既存大規模油田   1バレル3〜8ドル
  メキシコ湾深海油田、サハリン沖油田    1バレル30ドル以下
    40〜50ドルが投機資金の流入による押し上げ分
    WTI(ウエスト・テキサス・インターモディエート)原油価格  米国内陸部のローカル価格
    WTI先物一日取引量 実生産量の数百倍 実需給取引ごくわずか
  ファンドにとって確実性の高い投資先

このような世界の投機マネーは今後どのような動きをしていくのでしょうか?
不安定経済では
  換金性の高い実物資産 「質への逃避」 原油、非鉄金属、金
  ニューヨーク商品取引所 金先物相場 1トロイオンス837.5ドル 終値最高値
       3ヶ月で約200ドル上昇、3年前の2倍

世界経済を揺るがしていると言っても過言ではない投機マネーですが、
それを規制しようという動きは無いのですか?
世界の一日金融取引額(2004年4月調査)  3兆1000億ドル、334兆円
  一日の実物取引372億ドル、4兆27億円の83倍
10.19閉幕 G7財務相・中央銀行総裁会議 政府系ファンド規制
中国、ロシア、中東産油国などが外貨準備や石油収入を元手に世界の金融市場で運用
  運用資産規模2兆7千億ドル(約310兆円) ヘッジファンド1.5兆ドルを大きく上回る
   透明性向上の具体策を国際通貨基金、世界銀行、経済協力開発機構に依頼
   夕食会に中東、ロシアなどの政府系ファンド担当者を招き投資実態などの開示を求めた

(RCC中国放送(広島)「寺内優のおはようラジオ」2007年11月13日ON AIR)

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