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経済ジャーナリスト 堀 浩司 の “経済コメント”

2008年確定申告のツボ

[水野] 先週から税務署では確定申告の受付が始まりました。
税金の話となると、ちょっと敷居が高いと思われる方も多いと思いますが、ほんの少し知識があるだけで、税金が返ってくるケースもあるんだそうです。
そこでけさは、おなじみ阪南大学講師で経済ジャーナリストの堀浩司さんに今年の「確定申告のツボ」を解説していただきます。
まずは、堀さん。確定申告に行かなければならない人というのはどんな人なんですか?
[堀] 確定申告に行かなければならない人
(1) 所得税の納税をしなければならない人
 ・事業や商売をしている人
 ・サラリーマンでも土地や家を貸してる人、保険金の満期金を受け取った人
(2) 何らかの手続きをして所得税がゼロとなる人
 ・マイホームを売却したけど、その利益が3000万円以下で特例を受ける人等
[水野] じゃあ、それ以外の人は税務署に行って、確定申告をする必要なないんですね。
[堀] 行かなくてもいいんですが、行った方が得をするという人は結構多いと思います。
[かい枝] えっ?何か意味深な言い回しですね。
[堀] 基本的に税務署は税金を取るほうには熱心ですが、返す方はそうでもないんです。
ですから、実は税金が返ってくるというケースも、向こうからわざわざ連絡してくれることはなく、あくまでも、申告があったものだけ返してくれるということなんです。
だから、知識がないと損をするんですね。
[水野] でも、そんなに税金が返ってくるケースって多いんですか?
[堀] いろいろなケースがあるんですが、該当する方が多そうなのは「医療費控除」じゃないでしょうか?
[かい枝] 医療費ということは、病気したときにかかったお金ですか?
そしたら、まあ一年に一回くらいは医者にかかるでしょうからほとんどの人が税金返してもらえますね。
[堀] それはそんなに甘くないんです。
実はこの医療費控除、10万円を超えた分だけ、控除の対象になるんです。
例えば、年収600万円のサラリーマンで医療費の総額が10万5千円とギリギリ10万円を超えていた場合は、5千円分にかかってた税金200円が返ってくる計算です。
[水野] その程度なら、手間賃を考えたり、税務署までの交通費を考えたら申告するほどじゃないですよね。
[堀] でもね、この医療費控除は収入のある家族の分も合算して申告できるんです。
たとえば、夫婦共働きで、夫、妻とも昨年医療費を支払っていた場合。
医療費控除は原則として年間支払額のうち10万円を超えている額が対象ですから、夫婦それぞれ9万円づつの支払いでは夫婦とも医療費控除は受けられません。
しかし、これを所得の多い夫の医療費控除としてとして申告すれば医療費控除を受けられることになります。
[水野] そうなってくると、ちょっと話が変わってきますね。
[堀] さらに、一般に医療費というと、病院の窓口で払った金額を思い浮かべると思うんですが、それだけじゃなくて、病院に通うための交通費や病院に行かなくても、薬局で買った市販のかぜ薬なども医療費控除の対象になるんです。
ほかにも、子どもの歯列矯正、あるいは人工授精の費用なんかも控除の対象なんですね。ちなみにプチ整形はダメです。
※ その他の医療費控除の対象になるもの、ならないものをもう少し詳しく
[かい枝] そんなものまで対象になるんですか?
でも薬局で買った薬のレシートなんか捨ててしまいましたわ。
[堀] さすがに税務署も証明のないものまでは控除を認めてくれませんので、来年に向けてこれからの分はきちんと保管するようにして下さい。
[水野] でもね、交通費に関して言うと、タクシーならレシートをもらえると思いますけど、電車賃やバス代まではいちいち領収書なんてもらえないじゃないですか。
[堀] よく、マネー雑誌に「家計簿にきっちり付けておくことが大切」などという記事を見かけますが、実務上家計簿を見せるケースはほとんどありません。
歩いていける距離の医療機関でなければ何らかの交通機関を利用しているのは当然です。
自宅の最寄り駅から病院までの交通費をおのずと決まりますから、病院などの領収書があれば、その日それだけの交通費がかかったと主張できます。
[水野] この医療費控除の話は、今年だけではなくて、毎年繰り返しお話していただいていると思いますが、今年のトピックスというか、今年から気をつけないといけないという話題はありますか?
[堀] 実は、大きな話題があるんです。
これを知らないと、最大で300万人が合わせて1500億円も損をしてしまうというトピックスがあるんです。
[かい枝] えらい大きく出ましたね。ホンマですか?
[堀] いやいや、ホンマの話です。新聞にもいろいろな形で取り上げられています。
これは、住宅ローン控除にまつわる税金の話で、平成18年末までに入居して住宅ローン減税を受けている人が対象です。
[水野] でも確か、住宅ローン控除って、最初の年だけ確定申告すればサラリーマンの人は、次の年からは書類を出せば会社で年末調整してくれるんじゃありませんでした?
[堀] ここからは、ちょっと難しい話になりますので、ゆっくりお話しますね。
この住宅ローン減税っていうのは元々所得税のみの制度なんですが、今、政府は「税源移譲」といって国税の負担を減らして地方税の負担を増やすようにしているんですね。
ですから一般的サラリーマンでは国税である所得税が減って、その分、地方税である住民税が増税となるんです。
[水野] で、どうなるんですか?
[堀] 一般的なサラリーマンで所得税が減って、住民税が増えることで、税源移譲前の昨年に比べて住宅ローン減税額が半分ぐらいに減ってしまう人が出てくるんです。例えば平均的な年収600万円のサラリーマンで一昨年3000万円のローンを組んでマイホームを購入した人の場合の試算です。
昨年末、会社の年末調整で102,500円の住宅ローン減税の還付だったのですが、税源移譲による税制改正がなければ実は200,000円が住宅ローン減税として還付されていたのです。つまり差引97,500円が還付されなかったわけです。
[かい枝] せっかく税金まけてもらえるはずやったのに、損ですね。
[堀] ということで、所得税の住宅ローン減税額が減らされる分については、お住まいの市区町村に申告すれば住宅ローン控除を引ききれなかった分として住民税を軽減してくれる制度を設けているんです。
[水野] これは金額が大きい話ですから、行った方がいいですよね。
[堀] ここで注意していただきたいのは、来月3月17日までに自分で、申告しないとダメということなんですね。
[かい枝] でも、取る方は一生懸命なのに、返す方はこっちがしっかりしてないと税金が帰ってこないっていうのは、日本の税務署って不親切な感じがしますね。
[堀] ※ 日本の税制は「申告主義」、知識を持たないと損をする
※ ただし、税務署に行けば親切に対応してくれる。
分からないことがあれば、窓口で相談を!

(MBS「はやみみラジオ!水野晶子です」2008年2月26日ON AIR)

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