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経済ジャーナリスト 堀 浩司 の “経済コメント”

良くなる?悪くなる? 「医療制度改正」のポイント

アバン(40秒)島田読み
[N] 実はあまり知られていませんが、4月から「医療」に関わる様々な制度やしくみが変わります。その中でも75歳以上のお年寄りが、これまでの制度を外れて「後期高齢者医療制度」という新しい保険制度としてスタートすることや、お医者さんの「診療報酬」が変わることで患者の負担や医療の中身が変わることなどが大きな改正点です。ただあまりにも複雑すぎて、良くなるのか悪くなるのかさえわからないというのが実態です。
そこで今朝のクローズアップは、4月からの医療改正で変わるポイントを、良くなるのか悪くなるのか、詳しく解説します。
スタジオ(1)(1分)VFタイトル
[宮根] 随分以前から医者が足りない、看護師が足りない、病院行ったらアホみたいに待たされる、あるいは救急車で搬送された急患の受け入れ先がなく、たらいまわしにされるなど医療を取り巻く問題は深刻化してきています。で、小泉元総理時代に決められた「医療 制度改革」がいろんな形で施行されて変わってきているんですが、どうもよくわからないということが多いんですね。
そこで今朝は4月から、そして今後「医療」 はどう変わっていくのか、負担は増えるの か減るのか、あるいは医療の中身は良くなっていくのかというあたりを解説していただこうと思います。おなじみ阪南大学講師で経済ジャーナリストの堀浩司先生です。先生おはようございます。
[堀] おはようございます。よろしくお願いします。
[宮根] 先生まずこの4月からいろんなことが変わるみたいなんですが、あんまりみんな知りはらへんのとちゃいます?
[堀] そうですね。とにかくどんどん複雑になってきてますので、ちょっと新聞読んだりしただけではええのか悪いのか難しいですね。
[宮根] ではまずはどんな点が変わるのか、いくつか大きなものに絞ってVTRにまとめてありますので、そちらからご覧いただきましょう。
VTR本編 R-1(2分19秒) サブタイトル 「ココが変わる 『後期高齢者医療制度』 」
[N] 4月から原則75歳以上の方の医療制度 が「老人保健制度」から「後期高齢者医療制度」に変わります。後期高齢者とは75歳以上のことで、対象となる65歳から74歳までの一定の障害がある人を含めるとおよそ1300万人いると言われてい ます。どう変わるのかを簡単に言ってしまえば、現在負担ゼロの人でも対象となる人は原則全員保険料を死ぬまで払い続ける必要があります。納める保険料の年額は平均でおよそ 7万2千円、支払いは年金から天引きされます。
医療費の自己負担はこれまでと変わらず 一般は1割負担、現役並み所得者は3割です。現在医療費が最も膨らんでいる75歳以上について、その世代に相応の負担をしてもらおうというのが制度の考え方ですが、費用負担を怖れて病院を訪れなくなる高齢者が増えることが心配されています。
サブタイトル 「ココが変わる 『妊産婦の入院料負担が増える?』」
[N] 妊婦の救急搬送で受け入れ先がないという状況が起きていますが、これを解消する意味で受け入れ病院側に5万円の入院料加算が認められるようになり、積極的に受け入れる病院が増えることが期待されています。
ただ当然産む側の窓口負担もいくらか増えることが予想され、手放しで喜べるものではないようです。
サブタイトル 「ココが変わる 『領収書』」
[N] 領収書に関して「レセプト」と呼ばれる診療報酬明細書なみの詳しい領収書を数百円の負担で発行してもらえるようになります。過大請求などをチェックしやすくなります。
サブタイトル 「ココが変わる 『事務作業補助のための職員配置加算』」
[N] 診察券を朝入れて、診て貰えるのは午後遅くなってから、ということも良く聞きます。これを解消するべく医師の事務作業を補佐する職員を配置した場合、医療側に患者1人あたり1510円から3550円までの加算が認められるようになります。医師の負担が減り、少しでも待ち時間が少なくなればいいんですが・・・
他にも様々な改正点がありますが、それぞれについて、良いのか悪いのかじっくり解説します。
スタジオ(2)(4分)
[宮根] まあ色んなことが変わるようですが順番に見ていきましょう。
まず「後期高齢者医療制度」ですが、これは聞いてると75歳以上の方の負担が増えるだけのようにも思えますが?
[堀] そうですね。結果的にそうなる可能性もあります。
現行の老人保険制度と4月からの後期高齢者医療制度との比較がこちらです。 [堀] 窓口での患者負担は変わらず、保険料の負担が増える方が多くなります。高齢者の方の約8割は現在市町村の国民健康保険に加入して世帯単位で保険料を払っておられるのですが、4月からは例えばご主人の扶養者で保険料負担がなかった奥さんも保険料の負担が原則発生します。また、子どもの被扶養者で保険料負担がなかった方も自分で保険料を払うようになります。
これはまあ、悪くなる可能性大と言っていいかと思います。 [堀] ただ、サラリーマンの被扶養者など、当初、半年間の保険料免除、次の半年の9割減額などの経過措置は用意されています。保険料はその方の所得によって変わりますが、全国平均で年額7万2千円。基礎年金だけの受給者の場合は月額900円程度になる見込みです。
医療費の負担と給付の関係を明確にするためとのうたい文句なのですが、高齢者の方にはかなりきつい改正ですね。 [堀] 高齢者世帯では介護そして医療の自己負担額が重くならないように、やはり4月から高額医療・高額介護合算制度が創設され、一般的な75歳以上の世帯では年間の医療費、介護費の自己負担額が56万円を超えた場合、超えた金額が申請により還付されます。 [堀] さて、一般世帯でも4月から医療が改正されます。これは、保険制度から払われるお医者さんが受け取る診療報酬が改定されることで私達の自己負担額が変わるためです。
原則として一般的には、私達は医療費の3割を負担しています。産婦人科空洞化対策として、妊娠異常で救急車による入院をした場合、受け入れ病院に50,000円の入院加算が認められるようになります。問題はこれによって入院する側の負担がどれだけ増えるかということなんですが、例えば42歳で初出産、緊急搬送後入院して出産したこのケースの場合、実質的な負担増はわずか1400円です。
一ヶ月の上限高額療養費制度適用した場合ですが、意外に少ないんですね。これは少し良くなると考えていいでしょう。 [堀] 続いて領収書です。先ほどの医療として産婦人科に入院された場合の医療費の明細についてお話しましたが、ベッド数400床の大きな病院では患者側の希望で診療報酬明細書並みの詳しい領収書が数百円程度の料金で発行されることになります。患者側にとって治療内容を理解できますし、過大請求をチェックすることも期待されています。 [堀] 最後に事務作業補助のための職員配置加算ですが、現在医師が電子カルテなどを打ち込むといった事務作業が医師不足も手伝ってかなり煩雑になっています。これを解消するべく医師の事務作業を補佐する職員を配置した場合、医療側に患者1人あたり1510円から3550円までの加算が認められるようになります。少しは待ち時間を減らすことに繋がってくれればいいんですが・・・
[宮根] まあ悪いことばかりではないようですが、実際の現場のお医者さんは今回の改正、どう考えられているのでしょうか?お馴染みのあの先生に聞いてみました。
VTR本編 R-2(40秒) 谷先生 インタビュー
・ 医療のあり方が変わってきた
  ⇒病院は患者を診るだけでなく病院を潰さないようにしなければならない
・ 総じて今回の改正は不安な点が多い
スタジオ(3)(45秒)
[宮根] 病院経営も厳しくなってるんですね。医療改正というのは医療全体の問題として増え続ける医療費を誰にどう負担させていくかが難しいですね。
[堀] そうですね。今回の改正を見てもつぎはぎだらけというか、こっちの負担をあっちにもっていって、みたいな感じは否めないですね。確かにちょっとくらいの風邪で病院に行かないようにするとか、簡単に救急車を呼ばないようにするとかは意識することはできますが、それで重篤になって結果医療費がよりかさんでしまう可能性もあるわけですから、患者負担とか医者の待遇とか一元的に見ているだけでは解決しないと思います。今回の改正、そして今後どうなっていくのかしっかり見据えていく必要があると思いますね。

(ABCテレビ「おはよう朝日です」2008年03月12日ON AIR)

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