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経済ジャーナリスト 堀 浩司 の “経済コメント”

食料品から航空運賃まで! 値上げラッシュで暮らしはどうなる

アバン(30秒)島田読み
[N] 暫定税率の撤廃によるガソリン価格の騒動も 少しは落ち着きましたが、また値上げされる可能性も大いにあり、国会とドライバーとガソ リンスタンドは戦線恐々としています。
ガソリンは安くなりましたが、この4月から食料品 を中心に値上げラッシュが襲いかかってきています。
牛乳は1リットル当たりおよそ10円、醤油はおよそ30円、業務用小麦粉にいたっては20%アップ、家庭用小麦粉でも10%前後と、まさに日常で使うものばかり。
いったいなぜこれほど一気に値上がりするんでしょうか?そしてなぜ今なんでしょうか? 今朝のクローズアップは相次ぐ値上げの構造と生活への影響を考えます。
スタジオ(1)(1分)VFタイトル
[宮根] ホントにガソリンの陰に隠れて一気に値上がりしてるような気がしますが、この4月からあらゆるものが値上げされています。
牛乳や醤油、小麦粉なんかは皆さんもご存知だと思いますが、航空運賃、予備校の授業料まで上がるようです。今朝はこの値上げラッシュの構造と、家計直撃と言われていますが、いったいどのくらい負担が増えるのか、そしてなにか明るい材料はないのかを考えます。
解説はおなじみ阪南大学講師で経済ジャーナリストの堀浩司先生です。先生おはようございます。
[堀] おはようございます。よろしくお願いします。
[宮根] 先生、まずなんでこの時期に一気に値上げなんでしょうか? [堀] はい。まずは2007年度の世界の食料価格が対前年比で40%近く上がっているんですね。この原因はアジアの経済成長や投機マネーなど様々な要因があるんですが、例えば小麦の値段が上がっている原因としてはオーストラリアの2年連続の干ばつ、ロシアやアルゼンチンが国内供給を増やして輸出を抑えにかかっていること、トウモロコシや大豆については食べるのではなくてバイオ燃料に使われていて価格が高騰しているなどの要因があります。
[宮根] バイオ燃料を開発して食べるモンが値段上がってたら本末転倒やないですか。
[堀] そうですね。しかしトウモロコシの生産者はバイオ燃料として売ったほうが儲かる側面もあるので、そっちに流れてしまう現実があります。そしてやはりこういったトウモロコシや小麦や大豆などは、あらゆる食品の材料にもなっていますから、かなりの食品に影響を与えてしまうんですね。
[宮根] なるほどね。それではこの値上げの現状をもう少し詳しく見てみましょう。VTRどうぞ。
VTR本編 (2分)
[N] 食品などの値上げは、何も今回突然に始まったわけではありません。
例えば牛乳は1978年以来30年ぶり、醤油は18年ぶりの値上げですが、食品業界の収益構造として、少しくらい原材料の値段が上がっても小売価格を据え置いて頑張ってきました。
じわじわと収益が少なくなってきた矢先に一気に原材料の値上げがのしかかり、今回上げざるを得ないという状況です。
もちろん外食産業などにもその余波は及んでいます。お馴染みの551蓬莱豚まんなども10円から20円値上げされました。
あの餃子の王将も、5月1日から餃子1人前あたり21円の値上げに踏み切りました。
ある激安ショップでは、値段を上げずに例えば小麦粉はこれまで1キログラムだったのを700グラムに、マヨネーズは300グラムだったのを235グラムに減らして販売するという苦肉の策をとっています。
光熱費では、大阪ガスの場合標準家庭月額で160円ほど値上げされています。
国内線の航空運賃は全日空、日本航空などで普通運賃平均9%程度の値上げです。
原油高や光熱費のアップは、様々なところで生活に影響を及ぼしますが、一体今回の値上げは家計にどのくらいの影響があるんでしょうか?
先月、20歳以上の4000人を対象に行われた日銀の調査によれば、物価が「上がった」「少し上がった」と答えた人は実に85.9%、3ヵ月前の前回調査に比べて、7.3ポイントも増えています。
円高、アメリカ経済の低迷に加えて原材料高という3重苦に、私たちは立ち向かう手立てはあるんでしょうか? [宮根] さて、見るとうんざりしてしまいますが、値上げされる主なものをもう一度まとめてみました。これは結構こたえますね。
[堀] そうですね。ビールなどは据え置きの部分もあるようですが、これだけいろんなものが値上がりするとかなりの負担増が見込まれます。 [堀] 実際どのくらい家計に負担があるのかと言いますと、第一生命経済研究所の試算ですが、例えば小麦価格。輸入小麦はいったん政府が買い上げてこれを民間製粉会社に売り渡すのですが、この売渡価格が4月から30%値上げされています。この値上げでだけで年間で3,013円家計の負担が増えることになります。
そして穀物や原油の値段がこのまま上がり続けて、製品価格に全て転嫁された場合の負担増額は、2007年に比べておよそ13,000円増えるということなんですね。
[宮根]  これで一般サラリーマンの方の給料は上がらんわけですからね。キツイですよね。 [堀] そうですね。ここで少し日本の食糧事情についてなんですが、例えば小麦の場合国内需要の実に87%を輸入に頼っています。全体で見ると全ての食糧自給率は今39%くらいしかないんですね。家畜の餌も考慮に入れるとなると27%です。
実は40年以上前の1965年には自給率73%だったんですね。もしこのくらいの自給率を保てていれば、生産調整などでなんとかなったかもしれません。従って原材料の高騰は、例えば小麦が上がれば麺類やパン、お菓子などに波及しますし、トウモロコシの場合は家畜の餌代が上がりますので乳製品全般に値段が上がってしまうという悪い連鎖が起きるわけです。これを解消するには日本国内の自給率を上げていくしかないんですね。 [堀] そしてこの自給率というものを欧米諸国と比べてみると、これは穀物に限っての2003年度のデータですがフランスは173%、つまり73%分は輸出しているわけです。アメリカが132%、ドイツ101%、イギリス99%と、だいたいどこも自分たちの国で消費する分は賄えているんですね。これに対して日本は27%しかないと。
[宮根] これはある意味意外ですよね。結構日本はまだ農業生産は多いイメージがあったんですが、しかし今となってはこの自給率を上げるというのも難しいですよね。何かこの値上げラッシュに対抗する手段はないんですか?
[堀] そうですね。一つ言えるのは、こちらです。「救いは円高」
[宮根] え?どういうことですか?
[堀] はい。まあ簡単に言えばドル建ての輸入農産品は円高の今輸入価格が下がります。生鮮食料品は国産にこだわる人も多いとは思いますが、ここは円高の恩恵を受ける輸入食品を見直してみるというのはひとつの方法だと思います。 [堀] 例えば流通大手の「円高還元セール」ですね。
イオンとイトーヨーカ堂で3月22、23日に行われた「円高還元セール」では、イオンはジャスコ全国295店舗で米国産オレンジ、ブロッコリーなど30〜50品目が2割〜3割値下げされました。イトーヨーカ堂でも全国175店舗で米国産野菜、果物、豚肉、メキシコ産メロン、チリ産の魚などが安値で販売され大好評だったようです。
こういったセールを見逃さずに食料品を買い込むのも生活防衛のひとつとしてやってみてもいいんじゃないでしょうか?
[宮根] なるほどね。確かに円高だと輸入品は安くなりますからね。 [堀] 例えば子供の医療費自己負担割合の「2割負担」の措置が3歳未満までだったのが小学校入学前まで延長されます。保育所に入れないお子さんを預かってくれる資格のある保育ママへの補助も、子供ひとりあたり月額36,600円だったのが54,300円にアップします。自動車賠償責任保険、通称自賠責も全車種で平均24.7%引き下げられます。
こういった情報を逃さず捉えて家計をなんとかやりくっていっていただきたいですね。
[宮根] なるほど。物価は高くなるけど安くなるものを見逃さないということですね。先生どうもありがとうございました。

(ABCテレビ「おはよう朝日です」2008年04月09日ON AIR)

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