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経済ジャーナリスト 堀 浩司 の “経済コメント”

「大幅に上がる!」「必ず儲かる!」ウマい投資話に要注意!

アバン(1分08秒)島田読み
[N] おととしくらいから、高齢者を中心に、ある「投資」の被害が続出しています。
「ロコ・ロンドン金取引」
「ロコ」とは〜(なになに)における、という意味で、「ロコ・ロンドン金取引」とはイギリスのロンドンにおける金取引という意味になります。 これはここ3、4年の金価格の上昇を背景に利用者が業者と、ロンドン市場の金の価格を指標として取引を行うものですが、巧妙に仕組まれた契約で悪質業者に託した投資資金が返ってこないという被害が広がっているものです。
 <大阪府消費生活センター 白崎さんIV>
 ・3500万円もの被害を受けた人もいます
 ・2ヵ月後には連絡が取れなくなった
[N] 去年6月に「特定商取引法」が改正され、規制がかかってから「ロコ・ロンドン」という名前を聞くことは少なくなりましたが、実は同じような内容で名前を変えての投資話と被害はまだまだ続いています。
今朝のクローズアップは、このような被害にあわないために、正しい投資の知識や注意すべきポイントについて解説します。
ウマい投資話に要注意!
スタジオ(1)(1分)VFタイトル
[宮根] 景気が悪くなればギャンブルが流行ると言いますが、こういう投資話に乗ってしまう人が多いというのは時代の鏡なのかもしれません。 今朝はウマい投資話について、金融や投資の仕組みをきっちり理解することで正しい知識と見極めるポイントを教えていただこうと思います。
おなじみ阪南大学講師で経済ジャーナリスト、堀浩司先生です。おはようございます。
[堀] おはようございます。よろしくお願いします。
[宮根] この「ロコ・ロンドン金取引」って僕も去年なんとなく聞いたことがあるんですが、これは詐欺とはちゃうんですね?
[堀] 一般の方には難解な契約に基づいて行われる取引なので、即、詐欺とは言いきれないところに大きな問題があります。問題はこの「ロコ・ロンドン金取引」に限らず、自分自身で理解できない儲け話には、絶対に手を出してはいけないということです。悪徳業者は「ゼッタイに儲かる」「定期的に配当がある」などと誘ってきますが、そう簡単に個人に儲けさせてくれるほど甘くはありません。
[宮根] 要はわからんもんに手を出すなちゅうことですね。「必ず儲かる」「今だけ」なんて言われるとちょっとやってみよかな、と思うんでしょうね。まずはこんなVTRから見ていただきましょう。
VTR本編(2分23秒)報道資料5月26日
[N] 先月26日、福岡市博多区の海外先物取引仲介会社が「ロコ・ロンドン金取引」をめぐり、「ゼッタイに儲かる」などと虚偽の説明をして高齢者に契約をさせた特定商取引法違反の疑いで警察の強制捜査を受けました。
調べによるとこの会社は、今年2月上旬に山口県の78歳の男性の自宅を訪問して契約、必要な書面を渡さずに300万円を投資させた疑いなどが持たれています。
2006年後半からこういった被害が相次いでいて、国民生活センターによれば相談件数は2006年に263件、2007年には946件と急増しています。
「ロコ・ロンドン金取引」とは、ロンドン市場での金価格を指標として、市場での取引ではなく、業者と行う取引が多く、利用者はロンドンの金市場で実際に金を購入しているような錯覚を持ちますが、そうではないケースがほとんどです。
 <大阪府消費生活センター 白崎さんIV>
 ・必ずしも「ロコ・ロンドン取引」という名前ではない
 ・「貴金属スポット取引」などと謳う場合もある
 ・訪問販売や電話勧誘販売でアプローチしてくるケースが多い
 ・「金」を受け取っていない
 ・「証拠金」「保証金」名目で入金させられる
 ・そのお金が戻ってこない!
[N] でもなぜこのような詐欺まがいの取引に投資をしてしまう人が後を絶たないんでしょうか?
 <大阪府消費生活センター 白崎さんIV>
 ・当初1〜2回は配当金を払う
 ・これで契約者は安心してしまう
 ・証拠金取引では「元本保証」「毎月配当」はあり得ない
[N] 去年6月、特定商取引法が改正され、7月15日からこの「ロコ・ロンドン金取引」が規制の対象となりました。
 <大阪府消費生活センター 白崎さんIV>
 ・8日以内ならクーリングオフができる
 ・300万円が戻ってきた事例も
 ・すぐに契約しない、した場合もあきらめずに消費者センターへ相談
スタジオ(2)(5分)
[宮根] う〜ん、なかなか分かりづらい投資法ですがいったいどんな仕組みなんでしょうか。
[堀] こちらが、実際のロンドン金価格の年毎の推移です。 [堀] 確かにここ数年は経済の不安定感から価格が上昇して、金投資は魅力ある投資先になっています。利益を上げておられる個人投資家の方もたくさんいらっしゃいます。
しかし、問題となっている「ロコ・ロンドン金取引被害」はこのような健全な投資先ではありません。 国民生活センターの資料では平均契約金額は約400万円ほどの契約金を業者に払うということですので、相当な資金をつぎ込むのです。
仕組みを簡単に説明すると・・ [堀] 契約当初、金価格が上昇している時には、金の単位1トロイオンス860ドルで購入し、900ドルで売れました。40ドルの儲けになりますね。
また、金価格が下落している時は、「空売り」と言って、先に900ドルで売りましたが、金価格が下がったのでその金を860ドルで仕入れて手当しました。結果、40ドルの儲けとなるわけです。
さらに、預けているお金のスワップと呼ばれる金利が月ごとに支払われます。
こういう風に説明されるわけです。
[宮根] ちょっと待ってください、その「空売り」って、モノがないのに売ることができるんですか?
[堀]  はい。これが先物取引というヤツなんですが、厳密に言えば売る「約束」をするんです。ちょっとこちらをご覧ください。 [堀]  例えば金の値段が下がっていっているという下落局面ですね。この時値段が下がるのを見越して、例えばまず3ヶ月後の9月25日に900ドルで売る「約束」をします。 3ヶ月間のうち価格が下がってきた860ドルで買って、約束どおり900ドルで売れば40ドル儲かるとこういう仕組みなんですね。
[宮根] なるほどね。金の値段が上がっても下がっても儲かるという話ですね。なかなか、良いじゃないですか・・・。ちゃんと利益も出るし、利子も月毎に振り込まれる。
[堀]  いえいえ、これが手なのです。 [堀]  2〜3ヵ月すると「もっと投資すれば、もっと大きく儲かります。」とか、仮に売りや買いが裏目に出て損してしまった場合は「大きな損が出てしまいました。追加投資をしなければ全額戻ってきません。」と強引に追加投資を勧めます。
しかし、最終的には、投資資金が戻ってこないということで問題になるのです。
[宮根] これ、仕組まれた詐欺じゃないんですか。
[堀] いくつか、落とし穴があるんですよ。 [堀] 通常の金投資では、健全な金取引の会社が取り次いで実際に私たちが金を購入するわけですが、この「ロコ・ロンドン取引被害」では、実際にロンドン市場で業者が利用者の金を買っているわけではないんです。
実は、利用者が業者から金を買い、そして業者に売る「相対取引」をしているのです。つまり、利用者が儲かれば業者が損をし、利用者が損をすれば業者が得をすることになります。しかも、ポジションの売買といって「売る権利」、「買う権利」を売り買いするという、国民生活センターの公表資料では、「机上の計算」の儲けや損失と説明されています。
[宮根] 計算上の儲け、損失ですか。
[堀] さらに、この取引の指標となる「金価格」、金価格はドルですから「ドルと円との為替レート」、「スワップと呼ばれる利息の金利」も業者が決めることになっています。
[宮根] つまり全部業者が仕切ってることで、実際のロンドンでの取引は全くしていないということですか?これは契約書なんかに本来ちゃんと書かんとあかんのでしょ。
[堀] もちろんそうです。 [堀] ただ契約書には難しい言葉と小さな字でこれらのことが書いてあるんです。契約書にはそのほか、取引単位当たり5万円程度の取引手数料や月管理費支払の記載もありますが、これも小さな字でわかりにくくなっています。
そして、手が込んでいるのですが「説明を受け、十分理解した上で、自らの責任において取引をします。」と書かれた用紙に署名・押印を求められる場合が多いようです。
[宮根] なるほど、これでは即、詐欺というのも難しいですね。
[堀] 問題は、国民生活センターに寄せられた相談の約70%以上が60歳以上の高齢者の方。また、68.4%と約7割の方が女性ということです。
[宮根] 強引な勧誘につい契約をしてしまったという ケースが多いわけですね。なんとか防ぐ手立てはないものでしょうか。 [堀] まず、電話や自宅訪問で勧誘されたら、「興味も、関心もない」とはっきり断ること。それでも契約を迫られたら、その場では絶対に契約しないこと。 [堀] 「今日、お話しした内容の確認だけです・・・」「上司に報告だけですので・・・」と言われても絶対に署名・押印しないこと。 入金を迫られても、自分だけで判断しない。強要されるようであれば、「110番」通報。そしてトラブルが発生したら、とにかく早めに消費生活センター等へ相談する。 こういった点に気をつけていただきたいと思います。
それと、誤解を与えてはいけないと思いますが健全な金投資は推薦できます。
[宮根] とにかく、自分の理解できない投資は絶対にすべきではないということですね。どうもありがとうございました。

(ABCテレビ「おはよう朝日です」2008年06月25日ON AIR)

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