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経済ジャーナリスト 堀 浩司 の “経済コメント”

サブプライムショックが日本の中小零細企業を襲う

経済ジャーナリストとして、テレビやラジオに出演するかたわら、大学での講師も務めているという堀浩司氏、企業会計にも精通。
今年に入って、そしてさらに8月以降は一段と「不景気」を実感することが多いという。

たとえば、
◎ 大阪市生野区 シャーリング業(鋼材を納入先の必要とする寸法に切断する)
 社長50歳  父母と従業員   4人の零細企業
 年商1億2千万円(同規模からいうとかなり頑張っている企業)
 粗利(売上−材料) 年間2500万円(給料、工場家賃、諸経費を引くと500万円赤字)
 材料2008年初 鋼材70円/kg 5月110円/kg  5割以上値上り
 売上  すぐに上げてもらえない 100kg/円 130円/kg やっと3割
         ↓
 さらに8月から急に仕事が減っている   年初の3割減
    同業者の中には、年初の半分
       日給の従業員を隔日出勤にしたり時給従業員を午後3時で早退させたり
  大阪市生野区、東成区、東大阪市の町工場は悲鳴

◎ 大阪ミナミ(大阪市中央区周防町)  飲食店2店舗  年商5300万円
 ご主人、奥さん、おばあちゃん、従業員3人
 8月以降、更に売上が2割から3割減少
 顔なじみのお客さんの来店回数が大幅減少   家計の節約が大きく響く

日本の中小企業は、今
今年に入っての落ち込みに加え、夏以降さらに急降下で悲鳴
製造業  鉄鋼材料、石油関連材料急激上昇と需要減
飲食、食品、服飾  個人の超節約傾向で消費減少
さらに、米国金融危機で景気マインドが急激に冷え込んでいる

ちょっと経済ジャーナリストとして、アメリカ初の金融危機をミニ解説して!

今回のアメリカ金融危機は
金融中心アメリカ利益史上主義の付けが回ってきた
(1)デリバティブ商品  どんどんお金が膨らむ
  世界のサブプライム損失約138兆円(国際通貨基金IMF)
    アメリカ住宅ローン残高約1100兆円(約10兆ドル)
      うちサブプライムローン約150兆円(約1.3兆ドル)
(2)金融機関の脆弱性  お金自身が商品という危険
 リーマンブラザーズ(総資産約66兆5000億円)   ずっと黒字経営
   直前2四半期(3か月×2)6ヵ月の赤字7000億円 経営破綻
 米貯蓄貸付組合最大手ワシントン・ミューチュアル(総資産約32兆5000億円)
  2007.10〜12から3四半期9ヵ月の赤字約6600億円 経営破綻
  2007年第4四半期(2007.10〜12)  過去10年で初 赤字約2000億円
  2008年第1四半期(2008.01〜03)   赤字約1100億円
  2008年第2四半期(2008.04〜06)   赤字約3500億円

政府が「公的資金」を投入することも含めて、日本のバブル崩壊のときとそっくり。
でも、日本の金融機関って、今回の金融危機では「傷が浅い」と言われているので
日本経済は大丈夫と考えてもいいの?

銀行融資、さらに急ブレーキ
バブル崩壊以降、慢性的な「貸し渋り」状態にあった日本の金融機関が
ますますその傾向を強める恐れも。
寡占状態の金融機関 中小零細企業融資に非常に消極的
民間金融機関では、収支悪化企業に貸し出すのは無理 今、政府緊急融資必要

でも、金融機関にしてみれば、倒産する可能性があるところにお金を貸して
融資が回収できなくなるのを恐れるのは当たり前といえば、当たり前じゃないの?

もちろん、融資には厳密な審査が必要だが、バブルで危機に陥ったときに、「金融システムを守るのは国民のため」といって税金を使って救ってもらった金融機関なのだから、資金を必要とする金融機関にお金を貸すのは責務だという考え方もあるのでは?バブル崩壊を経験した銀行は、経営のスタイルを変えつつある。
「金持ちを大事にする」傾向をますます強めていて、「お金を貸して、金利で儲ける」ウエイトを小さくしている。

どういうこと?金利で商売しなくて、どうやって儲けるの?

◎ 日本の金融機関は堅実経営?
 元々、銀行は預金者からお金を預かって、それよりも高い利子をつけて
 お金が必要な人に貸し付けることで、その利ざやで商売をしてきた。
 ところが、最近は小さな額ならお金を預けて欲しくないというのが銀行の本音。
   預金をほしがらない金融機関  1000万円以下預貯金収支マイナス
     預貸利益率0.05%−預金保険機構保険料0.081%=赤字0.031%
     日本の100万ドル(約1億1万円)長者147万人(メリルリンチ証券)をターゲット
     来店客はお客さんではなく、銀行が訪問するお客が「銀行の真のお客様」

融資業務より手数料、金融商品販売業務にシフト
2008年3月期まで数年過去最高益を更新し続けていた
  かなりの利益留保で欧米金融機関買収へ
強い銀行だけを残し、国民のために税金をつぎ込んだのに
庶民の信用金庫数 83.03月約460弱金庫 98.03月401金庫08.07月279金庫

こうした経営の結果、日本の金融機関は実は堅実に利益を出している。
6大銀行グループ  2006年3月期 史上最高利益3兆1215億円
2008年3月期  サブプライム関連損失9800億円を差引いて、1兆8600億円

それで、今回のアメリカの金融危機でも、日本の金融機関がアメリカの金融機関の事業の一部を買い取ったり、出資したりできるんだ!

日本の金融機関が欧米金融機関に攻勢
三菱UFJフィナンシャルグループ  出資約9000億円(米証券2位モルガンスタンレー) 
野村ホールディングス  人材引継約数百億円(リーマンブラザーズのアジア太平洋、欧州、中東部門)
三井住友フィナンシャルグループ  出資約1000億円(6月英バークレイズ)
みずほフィナンシャルグループ  出資約1300億円(1月メリルリンチ)
◎ 以前は、オイルマネー、中東、シンガポール等政府系ファンドが資本増強に応じてきたが・・?

自民党の総裁選では、麻生氏が「景気回復が一番大事」を訴えて圧勝したが、
そのためには、具体的には何をすればいいの?

日本の中小企業に今、必要なものは
強いリーダーシップによる信頼できる経済運営と目の前の経営資金
2008.7〜9月期
近畿法人企業景気予測調査(近畿財務局9.24)  企業資金繰り指数3.8ポイント減
中小企業調査(大阪市信金9.24)  資金繰り指数4〜6期4.7ポイント減
景況アンケート(ニッセイ基礎研究所)  貸出態度指数16.3ポイント減

(米)ヘンリー・ポールソン財務長官
   ゴールドマンサックス会長時にブッシュ大統領に請われて就任(2006.05.30)
(日)中川昭一財務相・金融担当相
   「1人にやってもらう方が機能的」麻生首相
   78.04日本興業銀行入社 83.02退職  5年間の銀行員経験
    83.12衆議院議員初当選

(MBS毎日放送「MBSニュースレーダー」2008年09月29日ON AIR)

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