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経済ジャーナリスト 堀 浩司 の “経済コメント”

景気回復か?それとも・・・よくわかる「追加経済対策」

アバン(53秒)島田読み
10月30日 報道素材 <麻生ON>
「現在の経済は100年に一度の暴風雨が荒れている」
[N] 景気の低迷をこのように語る麻生内閣が打ち出した「追加経済対策」、その柱である「定額給付金」をめぐり様々な議論を呼んでいます。
国民すべてに支給だったはずが、所得制限を設けるかどうかで迷走、そしてそれを判断するのは地方自治体に任せるという「丸投げ」状態。支給のタイミングも野党の強い反発から、年度内の成立、実施は難しい状態、来年3月以降の支給ということになりそうです。
この「追加経済対策」、果たして効果は上がるんでしょうか、そして私たちの暮らしは良くなるんでしょうか?
今朝のクローズアップはこの「定額給付金」をはじめとする「追加経済対策」について考えます。
スタジオ(1)(2分)VFタイトル
[宮根] 確かにもらえるんやったら欲しい、でもそれが景気回復につながるのか?
今朝は検討されている「追加経済対策」の中身を詳しく解説するとともに、どれだけの景気回復効果があるのか、そして暮らしは良くなるのかを見ていきたいと思います。
お馴染み阪南大学講師で経済ジャーナリスト、堀浩司先生です。おはようございます。
[堀] おはようございます。よろしくお願いします。
[宮根] まずは「追加経済対策」がどういう内容なのかを簡単に説明してもらいましょう。 [堀] はい。こちらにざっと挙げてみましたが、まず最も関心事だと思いますが全世帯に「定額給付金」、これは総額で2兆円規模で行われると、ただし所得制限、つまり収入の多い人はもらえない、でそれを自己申告にする、ひいては自治体に任せると麻生さんは言ってまして批判が出ていますが、どうなるかはまだ決まっていません。 ちなみに毎日新聞の聞き取り調査では大阪は所得制限は設けないと答えているようです。
それから「住宅ローン減税」ですが、これは過去最大規模、金額で言えば最大で600万円が減税になるというものです。
そして大都市圏を除く地方の高速道路料金を引き下げる、これは例えば土日祝日なら乗用車に限り、どこまで乗っても原則1000円というような案が出ています。
そしてあとの4番5番は一般の方には直接関係ない部分ですが、中小企業向け融資・保証枠21兆円増額、あるいは道路財源から地方に1兆円交付するなどの措置を含めて、総額で27兆円規模になるというものです。
[宮根] でもね先生、これと一緒に麻生さんが言うたのがこれ、「早ければ3年後に消費税上げるよ」というのが、これは消費者のサイフのヒモを締めることになりませんかね?
[堀] それはあると思いますね。ただ最も重要なのは、今現在の消費を活性化させることであって、麻生さんも「いいことばっかり言う政治家は信用できないでしょ?」なんて言ってましたが、それが経済対策にブレーキをかけたのなら本末転倒ですよね。
[宮根] さあ、それでは今回の経済対策、もう少し詳しく見てみましょう。VTRです。
VTR本編(2分41秒)本編島田読み
サブタイトル 定額給付金
[N] 今回の追加経済対策で柱となる「定額給付金」の金額は、まず国民全員に一律1万2千円、18歳以下と65歳以上には8千円が追加されて2万円という案が出ています。
例えば4人家族で子供が18歳以下の場合、総額で6万4千円、3世代同居でおじいちゃんおばあちゃんがいる6人家族だと、10万4千円となります。しかし、どうやら今回の定額給付金はもっぱら評判が悪いようです。
朝日新聞が今月8日と9日に行った世論調査によれば、定額給付金は必要と答えた人が26%だったのに対し、必要だとは思わないと答えた人が63%にものぼりました。
<街頭インタビュー>
 ・ もらえるならもらうが心からは喜べない
 ・ もっとほかに方法は無いのか?
 ・ 消費税引き上げと言われると貯蓄にまわす
 ・ 本来の目的は消費なんだから使う
[N] みなさんならこのお金、どう遣いますか?
サブタイトル 過去最大規模 住宅ローン減税
[N] 今回の経済対策には大規模な住宅ローン減税も折り込まれています。
簡単に言えば、ローン残高の1%を10年間、最大で600万円の減税を行うというもので、実施されれば1999年から2001年にかけて行われた、15年間で最大587万5千円の減税を上回るものとなります。
もともと現行制度での住宅ローン減税は今年度で廃止される予定で、このことが住宅不況のひとつの要因になっていると考えられていましたが、今回の措置で住宅販売が活気づくことが期待されています。
サブタイトル 高速道路料金 大幅引き下げ
[N] 都市部を除く地方の高速道路料金は、ETC限定で土日祝日は乗用車がどこまで行っても1000円で乗り放題、平日は全車種で最低3割引という大胆な内容になっています。 ただし2年間の時限措置です。
サブタイトル その他の経済対策
[N] これ以外にも現在検討中のものとして、雇用保険料の保険料率引き下げ、介護報酬の引き上げ、子育て応援手当て、妊婦検診の無料化拡大などが検討されています。
スタジオ(2)(4分30秒)
[宮根] こうやって見ると暮らしは良くなるようなイメージはありますけどね。では順に見ていきましょう。 [宮根] 先生まずこの「定額給付金」なんですが、まあ所得制限1800万円で自己申告にするとか、判断を市区町村に任せるとか、一見やはり「迷走」している感じは否めないと思うんですが?
[堀] 迷走しすぎですね。現実の私達の経済、日本でもオバマ米国新大統領が言う「我々の生涯で最大の経済的試練だ」になってきている感じで、街のお仕事をされておられる方の声も、「こんな景気、仕事やってきてはじめてや」とおっしゃいます。もう皆でなんとかしなければならないところまできているんです。 そこで落ち込んだ売上を少しでも取り戻し景気回復の導火線になればということで、皆さんに消費をしていただこういうのが当初の趣旨なんですね。 [堀] ちょっとこれをご覧戴きたいんですが、これはオーストラリアで過去最大級の所得税減税と利下げ、現金支給を行った結果、10月の雇用が前月比で1万人減っていたのが3万4300人の増加になったという例があります。
MITマサチューセッツ工科大学のポール・サミュエルソン教授も大恐慌の克服には「赤字をいとわない財政支出」であると言ってて、「ヘリコプターマネー」といわれるいわゆるバラマキの効果としては功を奏すると言っています。
このような海外の事例を見ても国民に給付金を出して景気が回復した例は少なくありませんし、まずこの「経済対策の意味」として「何のためにやるのか」ということを皆さん逆に「選挙対策でしかない」とか言って国民もそれにつられて「意味がない」「ムダだ」みたいな話になってますね。
でも本来お金がもらえる話なのに素直に喜ばず歯止めをかけてしまっている、やるなら消費が活性化するよう仕向けていかないとダメだと思うんですね。
[宮根] じゃあみんなで景気良く使いましょうと?
[堀] そうです、今は給付金を使って、皆でエンジョイして消費を盛り上げましょう、景気の落ち込みを止めましょうという時だと思います。 批判ばかりでは、本当に私達の税金が無駄になります。 [宮根] さて続いて住宅ローン減税!結構大きいですねこれは。
[堀] そうですね。1999年から2年間にわたって実施されたときよりを上回る内容です。
例えば年収600万円のサラリーマンの場合ですが、住宅ローン残高が3000万円の場合、現行制度ですと15年で160万円という控除額ですが、新制度では住民税まで制度を広げた場合、10年で275万円が控除されます。このケースでは支払額としては100万円以上おトクになります。
[宮根] 今は住宅、マンションが売れてませんからね、でもこれで家を買う人が増えますかね?
[堀]  どのぐらいかは分かりませんが、確実に増えると思います。
この住宅ローン減税が発表されてから二度ほど住宅セミナーで講演しましたが、先週の土曜日などは定員をかなりオーバーするほどで皆さんの関心の高さがうかがえました。 [宮根] そして高速道路の料金値下げ、これはちょっとびっくりしましたけども、実施されれば大きいですね。ガソリンも安くなってきてますし。
[堀] そうですね。土日祝では乗用車に限って都市部以外の高速道路がどこまで行っても1000円ですからね。平日も全車種で最低3割引といった思い切った政策です。
一応向こう2年間の期限付きの措置なんですが、これには5000億円ほど予算が割かれる見込みです。
[宮根] 遠方にドライブに行っても、片道1000円の高速料金。家族でドライブ旅行もいいですね。
[堀] そうですね。そこでこんなドライブ旅行どうですか。 [堀] 大阪の千里中央から東京ディズニーランド に車で行く場合でみてみましょう。
4人家族で18歳以下の子供が2人の場合、まずガソリンが安くなってますので往復で5300円ほど安いです。高速道路は名神・東名・首都高速ともに適用がありますのでここでぐっとおトクですね。
ホテルと1デーパスポートは変わらずとして、合計額でこれまでは10万円以上かかっていたのが8万円台前半、さらに定額給付金を使うとすれば、18,480円で行けることになります。
[宮根] これはいいかもしれませんね。是非こんな使い道を検討してみてください。
皆で景気を立て直さないといけない時期ですからね。
[堀] ボクはそれこそ政府が広告代理店を使ってこの経済対策をどう浸透させていくか宣伝プランを練るくらいのことをやってもいいんじゃないかと思います。
[宮根] なるほど、中小零細企業や街の飲み屋さんも含めてホント厳しい状況です。消費拡大の刺激になるようにしたいですね。先生どうもありがとうございました。
[堀] ありがとうございました。

参考
・ 補正予算案は先送り
・ 財源も、いわゆる「埋蔵金」を使うとなれば、2次補正予算案だけでなく予算関連法案も年度内に成立させる必要がある
・ 野党の抵抗で参議院の審議が止まれば、より難しくなる

(ABCテレビ「おはよう朝日です」2008年11月19日ON AIR)

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