堀浩司の関西深堀りラジオ!経済ジャーナリスト・ファイナンシャルプランナー 堀浩司 おすすめ 癒しのマレーシア
PODCAST ラジオ配信中:RCC中国放送「ミライレポート」必ずわかる 法人税のしくみ

経済ジャーナリスト 堀 浩司 の “経済コメント”

新年の幕開け!回復の兆しは?2009年景気はどうなる?

アバン(1分)島田読み
[N] いよいよ2009年が幕を明けました。
去年2008年は、「変」という字が「今年の漢字」に選ばれるほど激変の年でした。
去年年末に発表になったAP通信の10大ニュースでは、1位のオバマ氏が米次期大統領というニュースに次いで2位に入ったのは世界的な「景気の悪化」。
先月12月22日の月例経済報告では、景気基調判断は11月の「弱まっている」から「悪化している」に下方修正されました。「悪化」と判断されるのは実に6年10ヵ月ぶりです。
「派遣切り」という言葉まで生まれた去年後半からの景気低迷、果たして抜け出せる術はあるんでしょうか?
今朝のクローズアップは今年の景気回復を真に願ってお送りします。2009年、景気はどうなる?
スタジオ(1)(1分30秒)VFタイトル
[宮根] さあ、いよいよ2009年ですが、決して明るい未来とはいきません。
リーマンブラザーズの破綻にはじまって株価の暴落や円高、そしてソニーショック、トヨタショックなど激動の去年から、今年2009年の景気はいったいどうなるんでしょうか?
阪南大学講師で経済ジャーナリスト、堀浩司先生に伺います。先生、今年もよろしくお願いします。
[堀] こちらこそよろしくお願いします。
[宮根] 先生、麻生首相が「100年に一度の暴風雨」と表現した去年なんですが、ズバリ今年はどうなっていくんでしょうか?
VF(1)原油価格の推移
[堀] はい。まずはこちらをご覧いただきたいんですが、これは去年2008年の原油価格の推移を表したものなんですが、最も高かった2008年7月でNY先物価格なんですが1バレル147.27ドル、ところが5ヵ月後の12月19日には一時32.40ドルと4分の1以下に。結局年末44.60ドルで終わっています。過去にこれほど短いスパンで価格が下落したことはないですね。これでまず言えることは経済の変化が非常に短い周期で起きているということなんです。
よく「夜明けの来ない夜はない」といいますが、悪いときがあれば、あとは良くなるというふうに考えていくしかないと思うんですね。
[堀] 世界大恐慌の真っただ中、米国大統領に就任したフランクリン・ルーズベルトは「景気を悪くするのは、人間の恐怖心そのものだ」と言っています。
みんなが景気が悪いと言い続ければ、買い控えなどで消費は低迷し企業の業績悪化。リストラが起き、それをまたニュースで見た人たちが経済活動を控えるという悪いスパイラルに陥ってしまいます。
「プラス思考」というと無責任のように思われるかもしれませんが、本当に景気というのは気のもんなんです。
[宮根] そうですね。でもなかなかそうは言っても今のタイミングではお金を使うことをどうしても控えてしまう、明るい未来が見えないというのが実感だと思いますので、ちょっとこんなVTRをご覧戴きたいと思います。
VTR本編(2分43秒)
<トヨタ 渡辺社長会見 ON>
・取り巻く環境は極めて厳しく、当期は営業損失と ならざるを得ない
[N] 2008年、景気の悪化を象徴する出来事、それはトヨタをはじめとする自動車産業の業績悪化でした。
経済大国日本の象徴ともいえるトヨタ自動車が連結決算で初めて営業赤字の見通し、ホンダも下半期は同じく営業赤字の見通しと発表がありました。次々と停止する製造工場や削減される派遣社員、それは景況感をさらに悪化させていきました。
しかし弁理士の矢野寿一郎さんは、自動車業界の未来はそれほど暗くないと指摘します。弁理士とは特許や実用新案などの知的財産権などをめぐる様々な手続きを行う人で、特に矢野さんは新しい産業技術や化学分野などの最先端に詳しい弁理士として活躍されています。
<弁理士 矢野先生インタビュー>
矢野
・ハイブリッドがプラグインになる
[N] 従来の「ハイブリッド」と呼ばれる車はガソリン走行中に自力で充電して電気とガソリンを使い分けますが、プラグインハイブリッドカーは、外部コンセントから値段が安い夜間電力などでバッテリーに充電、近距離は充電した電気だけで走行、電池容量が少なくなるとガソリンで走行しながら充電もできるというもので、短い距離ならガソリンをまったく使わずに走ることができます。
<弁理士 矢野先生インタビュー>
矢野
・ソーラー電池で自動車に電気を入れる
・家庭にソーラー電池で充電するガレージが一気に普及する可能性がある
・アメリカは「買えない」買い控え、日本は「買わない」買い控え
・自動車(産業)はすぐ「戻ってくる」
[N] これまでにない短いサイクルで経済状況が刻々と変化する今の時代、糸口さえつかめれば、景気回復はそれほど遠くないかもしれません。
<弁理士 矢野先生インタビュー>
矢野
・お金は持っているがビビッてしまって買わない
・2009年のうちに変わると思う
スタジオ(2)(5分)
[宮根] 電気自動車なんてまだまだ先だと思ってましたが、スグそこまできているんですね。
[堀] そうなんです。ちょっとこちらからご覧いただきましょう。 [堀] 2009年は電気自動車元年、ということで、まずトヨタの「プリウス」が全面刷新、これは現在のハイブリッドからまた進化したカタチということになると思いますし、三菱自動車、富士重工業なども電気自動車実用化に向けた取り組みが具体化しつつあります。
去年はホンダがF1撤退を表明して話題になりました。企業の収益悪化もここまできたか、という印象を持たれた方も多いと思いますが、一方でF1にかかっていた費用、これは400億円とも500億円とも言われていますが、それを環境対応者車や燃料電池への取り組みに向ける、ある意味未来に向けた撤退といえるかもしれません。 [堀] そして経済産業省が計画している「EV・Phvタウン構想」というのがあるんですが、これは電気自動車やプラグインハイブリッド車の早期実用化にむけた取り組みで、3つの対応として掲げられているうち、3つめにエネルギー制約、つまりいまの日本の運輸は石油に依存しすぎている、石油に代わる燃料が必要だとちゃんと認識されているんですね。
[宮根] もう原油価格に振り回されとったらアカンということですね。
[堀] そうですね。電気もそうですし燃料電池や太陽電池、特に太陽電池については先ほどVTRでも少しお話がありましたが、ソーラーで家庭で電気を蓄えて車に充電できるというのが実用化に向けて走っています。
パナソニックがサンヨーを買収したのも、その流れの一環であると考えられますね。サンヨーはニッケル水素やリチウムイオン電池に強いですから。あとシャープも2009年中にヨーロッパで薄膜太陽電池の新工場の建設を予定しています。
[宮根] まあでもその流れで石油に取って代わる日がいつ来るのか、しばらくは石油依存は続きますよね。 [堀] そうですね。でもそうであったとしても、例えば今年2009年中、もし1バレル40ドルで推移するとすれば、100ドルで推移する場合に比べて日本の実質GDPを0.4ポイント押し上げる効果があるというデータもあります。
レギュラーガソリン自体も2008年4月時点での全国平均はリッター185.1円、それが半年ちょっとで12月22日時点の全国平均は110.6円、すでに100円を切るスタンドも出てきていますから、あれはなんだったんだということですね。
[宮根] 確かにあの時は今後どうなってしまうのかと思いましたよね。それだけ経済の変化が激しいということですかね?
[堀] そうですね。一気に悪くなることはあっても一気に良くなることは少し難しいかもしれませんが、可能性はあると思います。 [堀] あと円高という部分を見てみましょう。日本銀行の去年11月に速報で出された「輸入物価指数」が、3ヵ月前に比べて総平均で27%、3割近くも下がっている、つまり輸入製品は平均3割近く安くなっているということです。 他にも石油、石炭、天然ガスは41.8%、金属、金属製品は30.6%、先ごろプラチナ製品が非常に安くなっているというニュースがありましたね。
それから食料品や飼料は21.8%と、 軒並み安くなっていて、まさに円高の恩恵がこれだけあるわけです。
[宮根] 旅行なんかも安くなってるみたいですし、韓国なんてウォンが安いからかなりトクですよね。
[堀] そうですね。この年末年始の海外旅行客は減少しているものの、韓国はかなり増えています。このあたりからも先ほどVTRであった「買えない」買い控えではなく「買わない」買い控えということが言えると思うんですね。お金が全くないわけじゃないんですよ。
[宮根] 持ってるヤツは持ってるちゅうのはありますよね。 [堀] 最後に、「こう考えれば今年はチャンスの年」ということで、アメリカのBIG3という自動車産業が低迷、アメリカ金融が苦境である今、日本企業にとってはチャンスなんです。2008年に入ってから日本企業による外国企業の買収は11月までで総額約7兆2千億円にのぼり、前年同期比2.3倍と増加傾向にあります。 [堀] さらに円高、ドル安、ユーロ安の今は、日本企業が海外に投資する絶好機なんですね。
また、株安、投資信託安ならば個人投資のチャンスなわけです。 実際去年10月の東京、大阪、名古屋主要3市場での個人の株式投資部門売買動向は、買い越し額、つまり「売り」に対して「買い」がどれだけ上回っているかの額なんですが、9927億円と、1兆円に迫る勢いで、これは東証が統計を取り始めた1982年以降最高の数字です。
[宮根] こういうときでも儲ける人はきっちり儲けるんですね。でも「金は天下の回りもの」なんて言いますけど、消費することで経済が回り始めて自分に返ってくるということはあるんでしょうね。
[堀] そうですね。気休めではなく、本当に景気回復を考えるなら、もちろん政府や企業の動向も重要ですが、なによりも大事なのは「意識」だと思います。そして景気が良くなるための好材料はたくさんあるということですね。
[宮根] 今年1年、景気はどうなる、というより景気をどうする、と考えてなんとか良くしていきたいですね。先生どうもありがとうございました。

(ABCテレビ「おはよう朝日です」2009年01月06日ON AIR)

main

経済ジャーナリスト・ファイナンシャルプランナー・経済講演/堀 浩司

経済・ファイナンシャルプランニングの取材・講演・出演を承ります
経済ジャーナリスト 堀 浩司 の “経済コメント”

経済ジャーナリスト堀浩司HOME
プロフィール経済コメントコラム芸能マネーメディア情報取材・講演依頼セミナーのお知らせ癒しのマレーシア

経済ジャーナリスト・ファイナンシャルプランナー 堀 浩司 オフィシャルサイト