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経済ジャーナリスト 堀 浩司 の “経済コメント”

一週間のニュース解説

 おはようございます。世界大恐慌の真っただ中で米国大統領に就任したフランクリン・ルーズベルトは「景気を悪くするのは、人間の恐怖心そのものだ」と言っています。まさに、今の日本の姿、そのもののような気がします。人の気持ちが明るくならなければ、経済は回復しません。今年はいろいろなところで、私、「日本一明るい経済の話」をし続けていこうと思っています。

 14日土曜日の読売新聞朝刊に、ビール大手4社の2008年12月期連結決算の内容が掲載されていました。「第3のビール」の躍進などで4社とも税引き後利益で増益を確保したと報じられています。さらに、キリン、アサヒ、サントリーの上位3社は過去最高益を記録したということです。キリンで前年比20.2%増、サントリーで33.2%増という大幅な最高益の更新です。
また、14日朝刊の毎日新聞、夕刊の読売新聞では、ネット商店街を運営する楽天がやはり2008年12月期連結決算で本業のもうけを示す営業利益、経常利益で過去最高益を記録したとも報じています。企業の暗いニュースが続く中、最高益を出し続けている企業もあることにホットします。

 同じ14日の日経新聞の朝刊に、2009年3月期の主要上場企業1569社の連結決算の見通しが報じられていました。経済ニュースを毎日、見たり聞いたりしていますと日本中のほとんどの企業が赤字になっているような感じを持ちます。しかし、最終赤字が見込まれるのは、13日時点で今回の集計対象企業の29.7%である466社です。あとの7割以上の会社は黒字決算なのです。しかも企業はただ手をこまねいて、黙って赤字を受け入れているばかりではありません。電気メーカーのパナソニックは収益回復に向けての構造改革費用3450億円を計上しての最終赤字となる見込みで、将来のための赤字ともいえます。日本の企業は決して負けません。

 逆にこの不況を逆手にとる動きもあります。やはり14日土曜日の読売新聞の夕刊です。「株安 贈与税減った今こそ代替わり」という記事です。株安を背景に中小企業のオーナー社長が後継者に自社株を譲ろうとする動きが活発になっているというものです。中小企業の株価を算定する方法の一つに上場企業の株価を参考に決める方法があります。今、上場企業の株価は過去10年間で最低の水準。この最低水準の株価と新たに導入される優遇税制で後継者に株を譲り渡す際の贈与税という税金が通常時の2割から3割に抑えられるという試算なのです。力強い中小企業経営、転んでもタダでは起きません。
 しかし、そうは言っても弱い人たちへの不況のしわ寄せはリストラという形で続いています。そんな中、15日、日曜日の毎日新聞に「フリーターから正社員に」という記事を見つけました。大阪府八尾市の機械製造工場で正規の職に就いたことのない元フリーターの20代の男女2人が正社員として働き始めたというものです。「不慣れながらも手探りで充実感を見出しかけている2人の姿は、希望を見つけられずにもがく同年代へのエールでもある」、と記者は述べています。また、同社の採用担当者は、「やりたいことが分からない若者が多い。でも人間は変わるし、続けるうちに仕事に合っていく。花開くところが見たいのです」とも語っています。若者に夢を与えられる社会を絶対に作らないといけませんね。

 高校就職内定率が6年ぶりに前年割れの82.3%だったことが17日火曜日の産経新聞に載っていました。同じ日の毎日新聞朝刊では、知的障害生徒の就労に特化した特別支援学校である「大阪府立たまがわ高等支援学校」を今春卒業する45人のうち、34人の就職が現在内定しており最終的には就職率が8割を超えるとみているという報道です。全国平均の就職率が2007年度25.8%にとどまっている現状の中、「教員が熱心に働きかけてくれたことと、不況下ながら企業側が理解を示してくれたことが大きい」と校長先生は話しておられます。社会の中で弱い方々を大切に思う社会こそ、本当の大人の社会だと思います。誰でも夢を持てる社会、絶対に作らないといけないですね。

 16日火曜日の日経新聞朝刊に国内製紙2位の日本製紙グループがオーストラリア製紙3位の企業を買収すると報じています。円高進行で財務体力が盤石になった日本企業が円高で買収金額が安くなった外国企業を買収するという事案が多くなっています。M&Aの助言の大手会社によりますと2008年の日本企業による海外企業の買収は総額7兆4621億円と、前年の2.6倍にもなっているとのことです。元気がなくて海外企業の買収などできません。日本の企業は強いのです。

 18日水曜日の日経新聞朝刊に、「トヨタ、5月に増産へ」という記事が目に止まりました。5月の国内生産台数を2月から4月の月平均台数に比べ3割多い20万台規模に引き上げるというものです。4月までに在庫を適正水準に圧縮できると同社はみています。販売が上向かなくても車種によっては品薄な状態になる可能性があるとの判断もしています。本格的な生産回復までにはまだまだ時間がかかる状況ですが、企業の生産体制の立て直しが完了すれば、守りから攻めの経営が始まるはずです。
 新しいエネルギー資源としての太陽光発電、その発電した電力を蓄える太陽電池の新聞記事を最近、良く目にします。2月17日火曜日、産経新聞朝刊では電機メーカー各社がこの不況下、太陽電池の生産能力増強の記事です。三洋電機では総投資額百数十億円で大阪府貝塚市に新工場棟を増設、島根県雲南市で約700億円を太陽電池関連に投資するということです。世界シェア2位のシャープは堺市に約720億円で新工場を建設中。4位の京セラも滋賀県野洲事業所内に約500億円で新工場を建設すると報道されています。また、19日の日経新聞朝刊では、三菱電機が世界最高効率の太陽電池を開発したとの見出しが出ていました。太陽光を電気エネルギーに変換する効率が多結晶シリコン型では世界最高となる太陽電池を開発したとのことです。さらに19日読売新聞でも文部科学省が原料を大幅に節約できる薄型太陽電池の性能を向上させるため、新年度から5カ年計画で研究開発に乗り出すと発表しています。世界でトップの技術力を持つ日本企業が頼もしく感じられます。景気回復の起爆剤になってくれればと願います。

 大企業でなくとも力強い企業はあります。20日金曜日の産経新聞朝刊、シリーズで続く「がんばれ!!ものづくり日本」では、瀬戸大橋、東京湾横断道路といった巨大構造物で使われる、さびないネジ、特殊ネジの世界トップメーカー、東大阪市の竹中製作所が紹介されていました。今と同じ円高となった四十年前の1962年、輸出激減でそれまでの42億円から17億円弱と売上高が大幅ダウン。起死回生のアイデアで京都大学化学研究所の稲垣教授の助力もあり開発したのが「さびないネジ」。容易いことではありませんが、危機がチャンスを生み出したのです。日本の中小企業も強いのです。

 私たちの心が明るくならないと景気は回復しません。
17日の毎日新聞、朝日新聞朝刊に気象情報会社「ウェザーニュース」のソメイヨシノの開花予想が発表されていました。4日に発表されていた日本気象協会の予想と同じように、今年の桜の開花は例年よりちょっと早めのようです。夜明けの来ない夜はありません。桜の花の開花に合わせて私たちの心もパッと明るく切り替えたいものです。

(NHKラジオ「新聞を読んで」2009年02月21日ON AIR)

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