堀浩司の関西深堀りラジオ!経済ジャーナリスト・ファイナンシャルプランナー 堀浩司 おすすめ 癒しのマレーシア
PODCAST ラジオ配信中:RCC中国放送「ミライレポート」必ずわかる 法人税のしくみ

経済ジャーナリスト 堀 浩司 の “経済コメント”

一週間のニュース解説

 18日木曜日、朝刊各紙は17日に政府が発表した6月の月例経済報告の記事を載せていました。朝日新聞、毎日新聞、産経新聞、日経新聞では「『悪化』という言葉が7ヵ月ぶりに削除された」という内容の見出しでした。与謝野経済財政担当大臣は「1〜3月が底だった。」と事実上の景気底打ち宣言をしました。
 13日土曜日の朝日新聞の記事によりますと先週発表された内閣府の5月の消費動向調査でも、今後の暮らし向きへの見方を示す消費者態度指数が5ヵ月連続で上昇し、また、前年同月比も2年半ぶりにプラスに転じたと報道しています。
まだまだ私たちとしては、決して良くなったとの実感はないものの、私自身、中小企業の経営を直に拝見している立場としては、大手企業の急激な在庫調整の影響で、特に中小製造業で1月から3月、仕事がストップしていたあのどん底から比べると確かに明るさの兆しは感じられます。

 ゴールデンウィーク前後から各市町村で支給が始まった定額給付金。街の雰囲気も少し明るくなりました。
 また、エコカー減税の効果で、5月に発売したトヨタ自動車の新型プリウスの受注が好調で現在注文しても工場からの出荷は半年後の12月下旬以降になると。また、ホンダはハイブリッド車「インサイト」の売れ行きが予想を大幅に上回り、4月の販売台数は自動車大手8社で唯一、前年実績を上回ったと、13日土曜日の讀賣新聞は伝えています。
 さらに、政府による省エネルギー家電を買うと「エコポイント」がもらえる制度が始まって1か月がたちますが、その効果について16日火曜日の産経新聞と日経新聞が報じています。日経新聞では調査会社BCNの全国家電量販店約2300店の集計結果、薄型テレビの販売台数がエコポイント導入後1か月間で前年同期比55%増だったこと報じています。

 これらの景気回復の兆しの記事に対して、「これは一時的なものだ」とか、「あまり楽観しないよう注意すべきだ」、日経平均株価1万円台回復時も、「そうしたことに浮かれているような状況だろうか」という声も聞かれます。その気持ちも分かりますが、楽観するほど、浮かれるほど私たちの暮らしは一向に良くなっていません。ただ、ほんの少しだけ明るさの兆しが見えるのかなぁと感じる程度です。景気は究極的には人の心で決まるものです。人の心でしか景気は説明できません。今、私たちに必要なことは先の明るさです。一時的でも、このほんの少しかもしれない明るさを本物にしていかなくては、目に見える経済対策で浮揚しかかった私たちの経済がまた下降してしまいます。それこそ、また税金の無駄遣いに終わってしまいます。

 改めて、今、私たちに必要なのは先の明るさだと私は思います。そんな中、17日毎日新聞の発信箱というコラムの「学べない」という記事が目に留まりました。親に経済力がないために、子が進学をあきらめる。学校現場からは、志ある生徒を教育の場に引き留められない無力感。これは日本の奨学金制度の貧しさを取り上げた連載記事に対する切実な反響なのですが、私の周りでも、夫婦の離婚後、母親の収入では高校に通わすことができず、楽しみにされていた修学旅行にも参加できないまま、高校を中退された娘さんがいらっしゃいました。若者が将来に明るさの持てない社会などでは、あまりにも暗すぎます。人が世の中で一番大切で、人のために会社があり、人のために経済があるのだということをもう一度考え直さないと、誰のためなのか分からない利益至上主義の中で私たちの生活が翻弄されてしまいます。景気がほんの少しだけですが、回復しかけた今、人を思いやる心が実は経済にとって最も大切なものだということを肝に銘じないと、マネーゲームに踊らされてまた、私たちは同じ轍を踏むのではないでしょうか。

 15日月曜日の毎日新聞夕刊に主要都市における1人当たりの公園面積の記事がありました。ウィーンの森を擁する音楽の都ウィーンが、主要都市中の第1位で、57.9u、続いてセントラルパークがある世界の大都市中の大都市ニューヨークが29.3u。さて日本では神戸市が16.7uと健闘しているのですが、大阪3.5u、東京3.0uいう結果です。東京のほうが大阪よりも公園面積は広いはずですが人口で割ると1人当たりの公園面積はこのようになるのでしょう。今の日本の人の心のなかにゆとりがないのも、公園、緑の少なさが影響しているのかもしれません。

 そんな気持ちで、新聞各紙を眺めていると大阪版では17日水曜日の産経新聞に兵庫県宍粟市(シソウシ)の「播州山崎花菖蒲園」のハナショウブの写真が。18日木曜日朝日新聞夕刊には奈良県宇陀市(ウダシ)の「花の郷 滝谷花しょうぶ園」(ハナノサト タキダニ ハナショウブエン)のこちらはスイレンの写真を見つけました。新聞一面からすると僅かなスペースの写真ですがその写真を見ているだけで心が和みます。

 まだまだ私たちの暮らし向きは大変ですが、だからこそ人を思う心、心の余裕が必要な気がします。

(NHKラジオ「新聞を読んで」2009年06月20日ON AIR)

main

経済ジャーナリスト・ファイナンシャルプランナー・経済講演/堀 浩司

経済・ファイナンシャルプランニングの取材・講演・出演を承ります
経済ジャーナリスト 堀 浩司 の “経済コメント”

経済ジャーナリスト堀浩司HOME
プロフィール経済コメントコラム芸能マネーメディア情報取材・講演依頼セミナーのお知らせ癒しのマレーシア

経済ジャーナリスト・ファイナンシャルプランナー 堀 浩司 オフィシャルサイト