経済ジャーナリスト 堀 浩司 の “経済コメント”
アジアメーカーの日本戦略と日本メーカーの今後
●世界各国で中国や韓国ブランドの製品が成功しています。いよいよ日本にも本格参入の気配ですが
・毎年訪れるマレーシア、十数年前ホテルのテレビはパナソニーック、ソニーだったが今は殆どサムソン
・サムソン2002年液晶テレビ日本撤退 しかし2011年世界出荷台数@サムソン電子23.8%(6年連続首位)
②LG電子13.7%、③ソニー10.6%、④パナソニーック7.8%、⑤シャープ6.9%
・力をつけてきたアジアメーカーが高品質を求める日本市場に参入、日本メーカー独壇場が競争激化へ
●例えば、韓国勢では?
・日本ブランドにこだわらない若い人に携帯電話、スマホでサムソン、LGのブランド力向上
・債務危機などで欧米市場減速、新興国は現地メーカーとの価格競争激化→巨大市場日本二千数百万台
サムソン 大型有機エレクトロ・ルミネッセンス・テレビ(ディスプレー厚さミリサイズ)、高級液晶テレビ 13年日本販売予定
・ヒュンダイ自動車 2009年乗用車撤退 →2012年中 トレーラー、中大型トラック(4トン以上)、観光バス
日本トラック市場 国内4社寡占状態 商業車の商談は価格が決め手 → のち乗用車も
部品ではブランドのこだわりなし 三菱自動車、富士重工業(スバル)へヘッドランプなどの部品供給
●中国勢は?
・一番目立つのは「ハイアール」(2011年世界シェア7.8%、3年連続首位)
2012年1月三洋電機から白物家電事業を買収
2本立てで日本市場のシェア拡大を狙う
「ハイアール」2002年から単身者向け低価格商品販売
「アクア」ブランド(三洋電機から買収) 日本での知名度が高い 高価格帯の白物家電販売
小泉今日子さんをイメージキャラクターに起用
●アジアであと気になるところは?
台湾メーカー 自社ブランドを持たずOEM(他社ブランドの製品を製造すること)に徹し知名度は低い
Original Equipment Manufacturer(オリジナル エクイップメント マニュファクチュアラー)
・ブランドはないが安くてクオリティの高い製品を作るのは非常に特異
水平分業経営 半導体、液晶専業メーカーが部品提供→組み立てメーカーが製品完成 製品価格安い
●アジアの企業が力をつける中、日本企業は?
海外をまわって感じる日本のブランド力、製品に対する信頼力 サンヨー、ソニー、パナソニーック
日産「DATSUN」 国内ではそれ程ブランド力があるとは思えないが、海外に行くといまだに凄い信用力
新興国向け新ブランド「ダットサン」で2014年からインドネシア、インド、ロシアを手始めに世界展開
新しいブランドを一から立ち上げるよりも「持ち駒」を使う方が成功確率が高く、早い
世界的に省エネが関心 北米白物家電でも省エネ家電が注目 省エネ技術で日本企業優位
日本には今までの「宝の山」がある。それをテコに経済モデルを確立すれば、今からならまきかえせる。
(RCC中国放送「本名正憲のおはようラジオ」2012年03月27日ON AIR)