経済ジャーナリスト 堀 浩司 の “経済コメント”
消費税率引上げ採決間近!もう一度私たちの消費税を今、考える!
◎ 消費税は見えない税金 内税方式(H16.04)義務化 電車250円 うち消費税12円 運賃238円
消費税は知らない税金 日本に暮らす1億3万人の誰一人として年間負担額を知らない
いつの間に、国税収入(24年度当初予算) ①所得税13.5兆円 ②消費税10.4兆円 ③法人税8.8兆円
滞納が多い H22年 新規滞納額6836億円 消費税3398億円(49.7%)
◎ 高所得の人より低所得の人の負担割合が大きい 逆進性
5% 年収300万円世帯11.5万円 → 3.8%、1000万円世帯22.3万円 → 2.2%
10% 年収300万円世帯23.0万円 → 7.7%、1000万円世帯44.6万円 → 4.7%
低所得者対策に消極的な政府
4月ごろまで 暫定措置 住民税の非課税世帯(年収300万円以下)を対象の「簡素な給付措置」
財源を上限4000億円 1人1万円
5月に入って 「給付付税額控除」 基本は納める税金の減税。税額のない人は還付
「簡素な給付措置」の批判を受け検討。規模、額は、未定。
生活必需品は低税率又は非課税とする「軽減税率」 未だに消極的 世論調査8割が導入を求める
財務省資料
ドイツ ハンバーガー 店内飲食・標準税率19.0% テイクアウト・軽減税率7.0%
カナダ ドーナッツ 5個以下・標準税率5.0% 6個以上・軽減税率0.0%
イギリス 標準税率20.0%、軽減税率5.0%(燃料、電力)、0.0%(食料品、医薬品等)
温めた食料品のテイクアウト、ケータリング → 飲食サービス・標準税率20.0%
ドミノピザ 焼き立てのピザを提供する目的 ゼロ税率主張 敗訴
→ 軽減税率の複雑さから、日本での導入に否定的
◎ なぜ、軽減税率導入に消極的なのか
各国の国税に占める消費税の割合(財務省2007年度)
日本21.8%(税率5%)、英国17.5%%(税率22.3%)、スウェ−デン22.1%(税率25%)
軽減税率適用は消費税収を減らす 軽減税率減収割合(2011.12EU)
フランス53.3%(19.6% → 食料品5.5%)、英国34.9%(20.0%→食料品0.0%)
日本 標準10% → 食料品を非課税4兆円(国税分)
◎ 旧物品税の混乱と各業界のエゴを考えると給付付税額控除がベターか
旧物品税 コーヒー/課税、紅茶/非課税 ストーブ/課税、こたつ/非課税
レコード/課税(但し、童謡/非課税 →「黒ネコのタンゴ」当初東京国税局のみ童謡扱い、結局歌謡曲とされ課税
「およげたいやきくん」非課税
「消費税率引上げありき」の消費税論議。一度、渡すと返ってこない消費税率。
私見ですが、消費税率引上げ必要だと考えるが、
低所得者対策、消費税収の使途、滞納問題などを置き去りにした税率引き上げには賛成できない。
(TBC東北放送「ラジオマガジン EARLY BIRD」 2012年06月23日ON AIR)