経済ジャーナリスト 堀 浩司 の “経済コメント”
衆議院総選挙、どう変わる日本経済〜今の日本の政治に経済を変える力はない
◎ 2012年は各国でも国のトップが替わる選挙が続きました。
1月/台湾総統選挙、3月ロシア大統領選挙ウラジーミル・プーチン氏(統一ロシア党)
5月/フランス大統領選挙フランソワ・オランド氏(社会党、前ニコラ・サルコジ氏落選)
11月/アメリカ大統領選挙バラク・オバマ氏(民主党)、中国共産党第18回全国代表大会・習近平氏
12月19日韓国大統領選挙
◎ 経済政策が各国とも主要、最大の争点、しかし日本の総選挙では・・・
フランス・経済面での現状に対する国民の不満/1990年代後半以来初めて失業率10%に
アメリカ・経済をどう立て直すかが最大の争点として争われた
韓国・「経済民主化」が争点。李明博大統領は財閥大手企業を優遇することで経済を成長させる政策
結果、現実は中小企業、自営業者崩壊で深刻な所得格差。一般国民の生活はさらに貧しくなった。
日本・原発、TPP、消費税などが争点と言われるが見えにくい→責任ある実行力に信頼がおけない
◎短すぎる日本の政権
小泉政権(2001.04.26〜2006.9.26/1980日)以降総理大臣1年4ヶ月ともたない
自民党/安倍晋三366日、福田康夫365日、麻生太郎358日
民主党/鳩山由紀夫266日、菅直人452日、野田佳彦465日(12.10現在)
財務大臣はもっと短命 小泉政権 塩川正十郎880日、谷垣貞一1100日
自民党/尾身幸次336日、額賀福志郎341日、伊吹文明54日、中川昭一147日、与謝野馨212日
民主党/藤井裕久114日、菅直人153日、野田佳彦452日、安住淳395日、城島光力71日(12.10現在)
首相 自民党3人平均363日/民主党3人394日、財務大臣 自民党5人平均218日/民主党5人237日
なにも出来ない → 経済政策ができない、世界各国は交渉相手と見ない(特に財務大臣など各大臣)
各国は毎回コロコロ変わる政治家大臣を相手にせず、継続的に出席する官僚を交渉相手と見る
◎ マハティール氏(自国発展のモデルをかつての日本に求めたマレーシア首相在任22年) 12.15日東京講演
「首相が1〜2年で交代していては何も成し遂げられない。力を発揮するには少なくとも5年は必要」
5.28国会議員懇談会(東京)
マレーシアの交渉参加について 「TPP、米主導の枠組み、私が首相だったら絶対に参加しない」
「米国発の実物経済ではない金融資本主義への警告」
「働くことの倫理感をベースにした日本流の発展モデルから離れた時から日本が弱体している」
◎ 各党の選挙公約、マニフェスト 「〜します」のオンパレードのみ。実行できるとは思えない。
ドイツ メルケル氏現在7年、シュレーダー氏4年、コール氏16年、シュミット氏8年 我々日本人でも聞き覚えがある
長期の強い政権を生み出さないと強い日本経済に戻れない。
任せることのできる信頼できる強いリーダーを今回の総選挙を通じて、無い物ねだり、渇望する
(SBC信越放送「モーニングワイドラジオJ」2012年12月10日ON AIR)